パワハラ

ボードゲームの連載をしている関係で掲載誌が送られてくる『月報司法書士』1月号の特集「職場でのハラスメント~あなたはしていない?されていない?」がとても勉強になった。そのまとめメモ。

パワハラの3要件:①優越的な関係②業務上必要かつ相当な範囲を超える③就業環境を害する
パワハラの6類型:①身体的な攻撃②精神的な攻撃③人間関係からの切り離し④過大な要求⑤過小な要求⑥個の侵害

しかしこれらは一般論であって、個別具体的な状況が考慮されるため、断定的な判断は避けたほうがよいという。いずれにしても会社・組織の迅速かつ適切な初期対応が問題を深刻化させないために重要である。

無意識パワハラ:①指導のつもりだった②自分は昔こうして鍛えられた③信頼関係ができていない④体育会系などの社風⑤他の人が指摘できない
怒りのタイプ:①正義感や信念が強い②何事も白黒つけたがる③自信家でプライドが高い④一見穏やかだが頑固⑤慎重⑥せっかち

これらを意識することが予防になる。またハラスメントではグレーゾーン(業務上必要で適正な範囲内かの判断が難しい、業務の適正な範囲内だが伝え方に問題がある)の対応が不可欠で、台本ロールプレイで実践しておくとよさそうだ。

ハラスメントにならない伝え方:①人より事にフォーカス②自分の感情を言語化③相手の言い分を丁寧に聴く④期待とフォロー
グレーゾーンへの介入:①早いうちに率直に切り出す②起きている事実と自分の懸念を伝える③自分の責任を認めて対等に話す④具体的な提案と自分ができること

相談を受けるときには、傾聴が大切。

相談時のポイント:①事実確認や要望よりもまずは心情を聴く②相談者を責めるような言動をしない(「そのくらい我慢しないと」「そんな意味で言ったのではないと思う」)③相手の顔を見て表情を真似る(ミラーリング)④無理に要望を聞き出さない⑤メモに集中しない(パソコンで入力しながら相談対応しない)

人権擁護委員で企業のパワハラ・セクハラ研修を受け持つことになって、無理だという委員も多いが、「断定的な判断は避ける」と「相談対応での傾聴」はいつもの人権相談と変わらず、DVD視聴と台本ロールプレイで十分いけるのではないかという感触を得ている。

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