ご詠歌の講習会で南こうせつさん作詞作曲の『澄みわたる空』。発表されてからもう5年になる。「澄みわたる空」は『廓然』、「せせらぎの音」は『渓声』、「春の光、秋の夕べ」は『道環』、「微笑んで」は『正法』につながる。ずっと引っかかっていた「定めのままに」は、晋山結制の本則「百丈野狐」の参究を通して、今は「御仏のお導きのままに」と捉えている。
澄みわたる空
水無月の空 雲波立ちて 私はひとり 旅に出た
杣(そま)へと続く 茅萱(ちがや)の道で 共に歌わん ホトトギス
昨日の悲しみ 風に散れ 涙のまにまに 今日を超えて
恨んで 泣いて 許して 泣いて
あぁ 風よ吹け もっと もっと もっと
せせらぎの音 耳洗われて 川の岸辺に ひざまづく
消えては浮かぶ 夢にまどろみ 愛しい人と 出会います
水面に映る 面影に 永遠の幸せ 祈ります
この身のままに 定めのままに
あぁ 微笑んで そっと そっと そっと
春の光は ほのぼのと 秋の夕べは しみじみと
何を語らん 何を歌わん
あぁ 澄み渡れ ずっと ずっと ずっと
ご詠歌に役立てようと、月3回のボーカルのレッスンを続けて4年になる。時々話題になるのが「感情を込めて歌う」ということ。先生は「どんな気持ちで歌いたいのか」「歌でどんな気持ちを伝えたいのか」をはっきりさせたがるが、私はどちらかというと頭を空っぽにして歌いたいのでしばしば対立してしまう。「周囲に気を遣って生活しているから感情が出せないのでは?」「感情を込めて歌わなければ人には伝わらない」と教えられるが、「どのように受け止めるかは聴く人次第」「歌で感情を出す(心を波立たせる)のは自分の好みではない」と突っぱねるので平行線。
そんなことがありながら、お習いする方としては久しぶりのご詠歌講習会。ご詠歌の曲想は「敬虔に」「荘厳に」といったものが多いので自然と感情から遠ざかっているのかな?と思いつつ(「悲しみをこめて」などもあるにはあるが)、頭を空っぽにしてお唱えしてきた。
こんなことを言いつつ、最近はエモいお唱えを目指している。