『生物はなぜ死ぬのか』

小林武彦著・講談社現代新書 生物学者が生命の発生と進化の歴史を説明しつつ、生物の死とヒトの死を対比し、その理由を考察する。 タイトルの答えは多様性。さまざまな環境を生き抜いてきた種は、古いタイプを壊してその材料や環境を …

『「利他」とは何か』

伊藤亜紗編、集英社新書。晋山結制式のテーマである因果について考えていたとき、たまたま目について読んだ。人の幸せを思い、喜んでもらうことは、人生の目的とするのにふさわしいものではあるが、「小さな親切大きなお世話」「ありが …

『内在する仏 如来蔵』『仏教哲学序説』

東大印哲の先輩が書いた本が今年相次いで出版され、同じく東大印哲の先輩からの依頼で書評を書いた(曹洞宗参禅道場の会『参禅の道』に掲載予定)。 『内在する仏 如来蔵』(鈴木隆泰・著)は如来蔵思想「誰でも成仏する素質がある」に …

『科学化する仏教 瞑想と心身の近現代』

著・碧海 寿広/KADOKAWA(2020年) 坐禅や瞑想がうつ病などに効果があると実証されつつある。マサチューセッツ大学医学大学のカバット・ジン名誉教授(1944-)による「マインドフルネス・ストレス低減法」というプ …

『ブッダに学ぶ ほんとうの禅語』

著・アルボムッレ・スマナサーラ/アルタープレス(2020年) 曹洞宗宗務庁が出版社に抗議文を送ったことで話題となった本(『月刊住職』2020年10月号「曹洞宗が日本テーラワーダ仏教協会僧侶の本に抗議! 虚妄の造説との批判 …