『最澄と徳一 仏教史上最大の対決』

師茂樹・著/岩波新書(赤) 平安時代初期、法相宗の徳一上人と天台宗の伝教大師最澄の往復書簡による論争「三一権実諍論」。徳一は三乗説(悟りの道には声聞・独覚・大乗の三つがある)、最澄は一乗説(悟りの道は大乗の一つしかない) …

『言語学バーリ・トゥード Round 1 AIは「絶対に押すなよ」を理解できるか』

著・川添愛(東京大学出版会) 帯に「読むなよ、絶対に読むなよ!」と書いてある(笑)。タイトルはポルトガル語で、「何でもあり」の格闘技。『UP』という、東京大学出版会のPR誌に連載されていたものだが、現役にはおよそ理解でき …

『ゴータマ・ブッダ その先へ: 思想の全容解明』

羽矢辰夫・著/春秋社 八万四千の法門ともいわれ、無尽誓願学なる仏教思想をこの1冊で「全容解明」とは、さすがに大上段に構えすぎではないかと思うが、読んでみると現代的な「凡夫」の視点からわかりやすく初期経典を読み解いている。 …

『ジェンダーと脳――性別を超える脳の多様性』

著・ダフナ・ジョエル&ルバ・ヴィハンスキ、訳・鍛原多惠子 人間の脳は「男脳」「女脳」に二分されるのではなく、「男性的な特徴」「女性的な特徴」がモザイク状に入り混じっており、そのパターンは多様で個人差が大きい。それなのに人 …