『出家の覚悟―日本を救う仏教からのアプローチ』

安易な答えを出さず、ストイックに仏教をひたすら問い続ける南師と、初期仏教の視点から現代の日本仏教に足りないものを教えてくれるスマナサーラ師という、今最も注目される2人の対談は、期待通りの素晴らしいものだった。 第1章「出 …

『なぜあの人とは話が通じないのか? 非・論理コミュニケーション』

言いたいことから一部を引き算する「遠慮」、その一部を足し算する「察し」。そんなふうにしてやり取りする日本の察する文化では、言葉や論理がかえってマイナスになることもある。「言わないほうがよかった」「言っても無駄だった」とい …

『ぼうず丸もうけのカラクリ』

「時給50万円ですけど何か?」という帯が笑える。実際お坊さんの世界も格差社会だが(このことは本書でも「金持ち坊さん、貧乏坊さん」の項で触れている)、宗教法人の非課税などで優遇されているのは事実。そんな裏側を、お坊さんであ …

『どう生き どう死ぬか―現場から考える死生学』

東北大学で発足した臨床死生学の研究会「タナトロジー研究会」の成果をまとめた本。医者、ソーシャルワーカー、哲学者、社会学者、心理学者、民俗学者と多彩な執筆陣が、生と死の問題をさまざまな観点から掘り下げる。 あとがきで、この …

『仏典をよむ―死からはじまる仏教史』

意外なことに、仏典の流行は時代によって移り変わっており、『歎異抄』のように近代になって急激に知名度を上げたものもあれば、逆に読まれなくなったものもある。現代において、読むべき書物は何で、伝統的な読み方をいったん脇において …