面影
いよいよ明日が帰る日となってしまった。ここ数日、夜になるとタヒルさんは「あなたがいなくなるとひどく寂しくなる」と目を赤くする。家族もみんな口々にそういう。はじめは社交辞令かと思ったが、あまりに何度も何度も言われるとこち …
いよいよ明日が帰る日となってしまった。ここ数日、夜になるとタヒルさんは「あなたがいなくなるとひどく寂しくなる」と目を赤くする。家族もみんな口々にそういう。はじめは社交辞令かと思ったが、あまりに何度も何度も言われるとこち …
カシミール語は独特の言語だ。基本的な構造はダルド語という言語らしいが、時代を経るにつれてサンスクリット語、ペルシア語、英語から多くの語彙を取り入れてきた。 イスラム教徒ならではの挨拶。ヒンドゥー教の「ナマステー」と同 …
カシミール大学でサンスクリット学科の主任、サティヤバーマ・ラズダン教授と会う。 授業などで忙しい上に、ストライキで大学に来れなかったりする。教授の専門は言語学で、今ひとつ話が合わなかった。そのうち一緒に来ていたタヒル …
近くの学校からピクニックで来ている一行。楽しい踊りを披露した タヒルさん、ジミーさん、叔母さんの子どもたちと車で遠出。シュリナガルから西に50キロ離れたスキー場、グルマルグは、夏もピクニックで賑わっている。シュリナガル …
中央郵便局入り口の厳重な警戒 出かけるとき、タヒルさんがお手伝いのアルタープに「3,4日は帰ってこない」と冗談を言ったらアルタープが泣いてしまった。アルタープいい奴。 日本の家族に手紙を出すため、中央郵便局に行く。し …