ラウキカ・ニヤーヤの世界
インド数千年の叡智が生み出したすばらしい格言をここでは少しずつ紹介したいと思います.
- apavaadair utsargaa baadhyante(アパヴァルガイル・ウトサルガー・バーディヤンテー)
「一般則は特例によって排される.」文法学では有名なきまり.
- astram astre.na .caamyati(アストラム アストレーナ シャーミヤティ)
「武器をもって武器を制す.」パキスタンへのインドの態度がこれ.
- kaakadantapariik.saanyaaya(カーカ・ダンタ・パリークシャー・ニヤーヤ)
「カラスの歯を調べる.」まるで無駄なこと.私にとってのインド哲学(って言うなよ・・・).
- kaakaak.sigolakanyaaya(カーカ・アクシ・ゴーラカ・ニヤーヤ)
「カラスの目玉.」文中である一語が同時に2つの語にかかること.カラスの目は1つ?
- kuupama.n.duukanyaaya(クーパ・マンドゥーカ・ニヤーヤ)
「井の中の蛙.」意味は日本のと同じ.輸入したのか?
- gobaliivardanyaaya(ゴー・バリーバルダ・ニヤーヤ)
「牛と雄牛.」牛について述べれば雄牛についてはもう述べる必要がない.一般論を述べてそれでOKということ.類義語「バラモンと遊行者」「バラモンとヴァシシュタ」
- candracandrikaanyaaya(チャンドラ・チャンドリカー・ニヤーヤ)
「月と月光.」2つが不可分であること.美しい・・・
- cintaama.ni.m parityajya kaacama.nigraha.nanyaaya(チンターマニム・パリティヤジヤ・カーチャマニ・グラハナ・ニヤーヤ)
「伝説の宝石(チンターマニ)を捨ててただの水晶を取る.」ブラフマンへ至る崇高な知を探求することを諦めて,現世の利益を求めること.こうならないようにしたいけど,今では水晶もとれなかったりする.
- na.s.taa.cvadagdharathanyaaya(ナシュタ・アシュヴァ・ダグダ・ラタ・ニヤーヤ)
「死に馬に焼け車.」昔馬車に乗った旅人が泊まっていた村で火事が起き,その旅人の馬が死んでしまった.そこにまた別の旅人が火事で馬車が焼けてしまっていた.2人はそれぞれの馬車と馬をつなぎ,旅を続けたという.2者が協同で仕事をすること.
- na hi khadiragocare para.cau palaa.ce dvaidhiibhaavo
bhavati(ナ・ヒ・カディラゴーチャレー・パラシャウ・パラーシェー・ドゥヴァイディーバーヴォー・バヴァティ)
「カディラ樹に斧を入れてもパラーシャ樹は切れない.」2つのものが本質的に異なること.当たり前の事実でわからせる.
- maanaadhiinaa meyasiddhi.h(マーナアディーナー・メーヤスィッディヒ)
「量りによって量られるものが成り立つ.」プラマーナ(認識手段)の探究は重要だというニヤーヤ学派の教え.
- varam adya kapota.h .cvo mayuuraat(ヴァラム・アディヤ・カポータハ・シュヴォー・マユーラート)
「明日の孔雀より今日の鳩.」実を取ること.「とらぬタヌキの皮算用」の逆か.
- .carapuru.siiyanyaaya(シャラ・プルシーヤ・ニヤーヤ)
「矢と人.」矢が放たれたのと同時に人が壁のかげから出てきて,死んでしまうこと.完全に偶然であること.池袋に行って通り魔に刺されるようなもの.類義語「鳩と鷹」
- .ciir.se sarpo de.caantare vaidya.h(シールシェー・サルポー・デーシャアアンタレー・ヴァイディヤハ)
「頭上に蛇,医者は外国.」絶体絶命ということ.想像するだに恐ろしい・・・
- svaamibh.rtyanyaaya(スヴァーミ・ブリティア・ニヤーヤ)
「主人と召使.」一方が一方に依存するという関係にあること.主人と奴隷の弁証法はないようだ.
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