つくば自宅ゲーム会 08/06/04

つくば自宅ゲーム会 08/06/04

個人輸入した中古ゲームの受け渡しを兼ねた自宅ゲーム会を開催。平日だがkarokuさん、ふうかさん、康さんが都合をつけてきてくださった。棚に眠りかけている未プレイゲーム、康さんが翻訳中のゲーム、手に入れたばかりの新作ゲームと幅広く遊べて満足。うちのゲーム棚は2つしかなく、入りきらないものは手放すことのが我が家での約束。しかし次々と発売される新作、まだ遊んでいない名作はどんどん出てくる。したがってどんどん遊んでいかないと未プレイ品まで手放さなくてはならなくなってしまう。もっとも整理のために遊ぶということではなくて、もちろん未知のゲームから新しい楽しさを味わいたいわけであるが。

カンパニーメーカー長城マガロンデウカリオンストーンエイジリンクバッカスの宴

カンパニーメーカー(Company Maker / 米出康人 / Y-Games, 試作品)

カンパニーメーカー絶賛改良中

前回のレポートはこちら。タイルの取得方法にバッティングの要素を入れ、会社の規模を増やし、タイルを載せるラックを作って遊びやすくしてあった。よく次々と新しいアイデアが浮かぶものである。私は既存のシステムを思い出すくらいしか能がない。
 思うに、ドイツのゲームデザイナーも最初から完成されたゲームを考え付いて微調整をするというのではなく、きわめてラフなところから始めて新しい要素を加えたり余計な要素を削ったりしているのではないだろうか。改良に1、2年かけるのは当たり前というのもその証拠だろう。ましてやカードゲームよりも複数の要素が絡むボードゲームでは余計に時間がかかるに違いない。
 このゲームが製品化されるかは未定ということだが、ゲーム制作というひとつの過程に加わるのは為になる上に楽しい。

長城(Chang Cheng / W.オベルト / テンキゲームズ, 2007)

手柄を立てればモンゴル軍に狙われ

長い長い万里の長城を建設してポイントを稼ぐゲーム。イタリアのテンキゲームズが昨年発売し、現在ドイツのフッフ・フレンズが扱う。縦に並んだ4枚のボードに長城がずうっと続いていくさまは壮観である。
 手番には自分の色の長城コマとタイルを好きなところに置く。長城のこちら側、中国領はエリア分けされており、長城が全部置かれたエリアで得点計算が起こる。色の一番多い人に得点。そのときそのエリアに置かれているカードがめくられ、得点が増えたり逆転できたりすることも。全員手持ちのカードは同じ内容なので、どのカードが置かれたかを見越して行動しなければならない。
 3つのエリアで得点計算が起こるとボードが拡張され、長城はさらに伸びる。全部の長城が置かれて中国側の得点計算が終わると最後の審判。モンゴル軍が待ってましたとばかりに襲撃するのだ。今度はモンゴル領のエリアごとに一番多い人がマイナスポイントを食らってしまう。見張り塔を設置したエリアではマイナスが免除されるのでうまく回避しよう。
 面白いのは中国領とモンゴル領が少しずつずれているところだ。そのためうまく長城を配置すれば中国領で一番でもモンゴル領でマイナスを取らないで済む。ほかの人も同じことを狙う中、クレバーな配置を考える必要がある。
 序盤からカードを惜しげなく使って先行したが、得点の大きいエリアを落とし損ね、しかもモンゴル軍に袋叩きに遭って3位。こういうのがイタリアのテイストなのか、ドイツゲーム的な陣取りをベースにしながらカードの心理戦があり、さらにモンゴル軍の不確定要素で先を読めなくしてあって陽気なゲームになっていた。

マガロン(Magalon / W.クラマー / ラベンスバーガー, 1998)

壁が、巨人が、追いかけてくる!

障害物をくぐりぬけ、3つの宝を集めて帰ってくるレースゲーム。クラマーが大賞を受賞しまくった世紀末の作品である。
 『エルグランデ』方式(1枚ずつ出すが前の人と同じ数字を出せない)でカードを出し、一番大きい数字を出した人から進む。途中3箇所の置き場に寄って宝を手に入れ、最初にスタート地点に戻った人の勝ち。
 カードによって障害物を移動する効果があり、ほかの人を邪魔したり自分の道を確保したりできる。さらに一番数字が小さかった人は最後にダイスを2つ振って巨人を移動、途中で捕まったコマは10マス戻らされる。こうしてお互いの足を引っ張り合うわけだ。
 写真はkarokuさんの青い魔法使いと、ふうかさんの橙の魔法使いが壁や巨人やノームに取り囲まれているところ。このあと壁を移動して2人は難局を乗り越え、さらにkarokuさんが足止めを食らったところでふうかさんが追い抜いて1位。最初に進んだ向きが1人だけ別方向だった私は、巨人が近くをうろついていて冴えない終わり方だった。
 10年前のゲーム界が望んでいたであろう、シンプルな仕組みに比してゲーム時間が長いのは今だと冗長な感じが否めない。だがお互いの状況をにらみ合いながらのカードの選択には駆け引きがあり、難局を乗り越える見せ場もあって楽しめた。

デウカリオン(Deukalion / A.シュタインヴェンダー、W.レープスシッツ / パーカー, 2008)

戦士のコマをジャラジャラ~

ギリシャの神々が、戦士を船に乗せて戦いを繰り広げるボードゲーム。パーカーが「デザイナーゲームシリーズ」として『冒険者の谷』と『オリゴ』に続く3作目で発表した作品は、一般公募で採用されたものだったという。
 専用のコップに入れる5つのダイスと、『カルカソンヌ』状のコマをたくさん握ってジャラジャラ振るところがこのゲームのポイントだ。手番プレイヤーが5つのダイスをコップに振り入れ、コップの向きを考えている間にほかの人は中央のダイス目で移動と戦闘を行う。島を攻撃して宝を奪い、アテネに持ち帰って契約カードをもらうのが基本。そのほかにヒドラを倒したりほかの人の船に襲い掛かって宝を奪ったりもできる。
 皆が終わったら再び手番プレイヤー。ダイスカップを回して4つのダイスをカードのもらい方、戦士の復活、船の進む数、ヒドラの進む数に振り分ける。待ち時間を無駄にしないうまいシステムだ。
 ただダイスは1~3までしか出ないものなので、さほど大きな差はない。それよりも派手な戦闘の方法がこのゲームの眼目だ。船に乗っている戦士コマを全部取ってジャラジャラ振る。×印のついている面が上になれば0点で戦死、裏面なら1点、立てば1/2点。この合計で島や船やヒドラを攻略するのである。神にとって人はダイスと同じというわけか。戦死した戦士は地獄に行き、その分戦闘力が少なくなってしまう。復活させるには地獄の入り口まで戻らなければならない。残る精鋭に期待して先に進むか、安全に引き返すかが悩むところだ。
 みんなと別の方向で宝を集め、どんどん契約を果たしたふうかさんが圧勝。私は10人でテラを攻略したときに7人も死んでから戦士に覇気がなくなってしまった。ダイスもコマも振る運の要素が強いゲーム。一振り一振りに盛り上がったので楽しかった。

ストーンエイジ(Stone Age / M.トゥメルホファー / ハンス・イム・グリュック, 2008)

振って組み合わせる

ダイスで食料や材料を集め、建物やカードで得点にするゲーム。『サンクトペテルブルグ』の作者であるトゥメルホファー(ハンス社長ブルンホファーの偽名)の作品で、今年のドイツ年間ゲーム大賞にノミネートされた。ゲーム内容はこちら
 ダイスを振るので運の要素が強いと思ったら、考えるところもたくさんある。ダイスのリスクヘッジがこのゲームの焦点だろう。
 早い者勝ちでコマを置いてアクションを選ぶのは『ケイラス』に始まる00年台後半フリークゲームの共通プラットホーム。でもこのゲームでは一部のアクションを除いてあまり先を急ぐわけではない。むしろ選択肢として大事なのはどのアクションに何人まで投入するかという配分だろう。というのも生産のために振るダイスは置いた人数分。たくさん置けば大量の生産が見込めるし、もしダイス目が悪くても最低限は確保しておけるからだ。一箇所に集中しすぎないよう、かつ確実に必要な資源を集められるように配分したい。新しい人員、その人を養う畑、ダイス目を改善する道具といった基礎力を増やせば、配分がより楽になるだろう。
 序盤に人を増やしまくって食料が不足気味のkarokuさんと、そのとなりで人を抑えつつ畑を増やして狩りをしないで済むようにしたふうかさんが対照的だったが、増やした人で後半から一気に材料を集め次々と建物を建てたkarokuさんが1位でふうかさんが4位。康さんは道具と建物、私はカード路線だったがトップを落とせなかった。ゲーム終了のタイミングはある程度コントロールできるが、得点状況はカードの分だけ非公開なのでいつ終わらせるかが難しい。今回はふうかさんが終わらせたが、それ以上延びると人の数でkarokuさんがさらに稼いでいたと思われるので正解だったのだろう。
 ゲーム時間は1時間以上と長め。「ダイスゲームにしては長すぎる」という評価もあるが、ダイスの偏りが均されていくので勝敗の分け目は運だけでない。とはいえ、1回振るごとに一喜一憂するのもこのゲームの楽しさであることにはちがいないのだが。

リンク(Linq / E.ニールセン / ビーウィッチト・シュピーレ, 2007)

ブラフは誰だ?

ヒントを出し合って、同じカードを持っているペアを予想するゲーム。オリジナルはアメリカだが、昨年のエッセンで発売されたドイツ語版が日本に流通している。
 同じカードのペア数組とクエスチョンカードを混ぜて1枚ずつ配る。この時点で自分と同じカードを持っているのが誰かは分からない。まず第1ヒント。自分のカードで与えられた言葉を表す言葉を1つずつ言う。ヒントは書記がメモに書きとめる。例えば「波」「ラジオ」「パラソル」「風呂」……「波とパラソルは海関係で近いかな」というように予想して、誰と誰がペアなのかを予想する。
 続いて第2ヒント。「色」「低い」「青」「水」……「パラソル+青と、風呂+水も水関係で近いような?」ということでもう1回予想。ここで全員カードをめくって回答となる。
 お互いに自分と相手のペアが当たっていれば5点。ただしほかの人に見抜かれると1点献上しなければならない。だからヒントは丸分かりのものではなく、第六感で通じ合うくらいのものを。そのあたりの選択が悩ましく楽しい。
 もう1つ、クエスチョンカードをもっている人は適当にヒントをでっちあげて、まるで誰かとペアであるかのようにふるまう。その人を予想してしまった人は1点献上。こちらもあからさまでは疑われる。微妙に近く、かといって離れすぎていないものを。クエスチョンしか書かれていないカードを睨みながら悩んだりする演技も大事だ。
 5~8人で遊ぶのが基本だが、4人プレイではダミープレイヤーのエリック君を入れて遊ぶ。彼とペアの人がいるかもしれないし、彼がクエスチョンかもしれない。人数が少ないなりに、読み合いが密で楽しめた。クエスチョンでうまく騙した私が、騙しきれなかったkarokuさんを抜いて1位。インスピレーションを非常に掻き立てられた。

バッカスの宴(Bacchus’ Banquet / F.モヤーセン / メイフェアゲームズ, 2008)

飲めや歌え……死ぬまで

ご馳走やワインを皆で飲み食いしながら、各々が与えられた勝利条件を揃えるゲーム。サークルゲームの定番『お邪魔者』の作者モヤーセンの作品である。
 手番プレイヤーは場札から3枚のカードを選び、見えないようにして1枚は捨て、1枚は自分で取り、1枚はほかの人に裏のまま渡す。渡された人は受け取るかさらに別の人に渡すか。誰も受け取らなかったら最初の人が引き取らなければならない。どの3枚を選んだかまでは皆知っているので、ブラフをうまくかけて自分のほしいカードを取り、いらないカードを押し付けるところがポイントだ。
 引き取ったご馳走とワインのカードには数字が書いてあり、その分だけ満腹ポイントが上昇する。マックスの10を超えると死亡(!)。別の人物のカードをもらってまた位置からやり直すことになる。中には何人か死ぬことを勝利条件にしている人物もいるので気が気ではない。
 カードはほかにもキャンセルしたり、ご馳走をノーダメージで食べたり、回復したりするカードもある。しかし何といっても強烈なのは、何にもならないのにダメージだけ食らう毒カード。これが選ばれると、ほかの人は受け取る手を出しにくくなるだろう。それを利用していいカードを2枚せしめたり、裏をかいてカードをもらったりという熱い駆け引きが生まれる。
 今回はお試しプレイで勝敗つかず。実際に酒場にいるような気持ちで遊ぶと面白いだろう。

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