秋葉原水曜日の会 08/03/19

秋葉原水曜日の会 08/03/19

2週間ぶりの秋葉原。顔見知りの方も多いが、毎回のように初めての方がいらっしゃるオープンな感じが好きだ。90分クラスのボードゲームが遊ばれることも多くなってきたが、5~6人で1卓ということが多いので4人以下のゲームは稼働率が低いかもしれない。今日も5~6人まで遊べるものが多く遊ばれていた。

ワイン商陰の騎士ファントムコロンブスシックス

ワイン商(Die Weinhändler / R.ペレック、K.ヒーリー / アミーゴ, 2004)

ワイン商ほしいが出せない、出せないがほしい

競りをしながら同じ種類のワインを集めて得点を稼ぐカードゲーム。ドイツの受賞歴はないものの、根強い人気で国内販売され続けている。30~45分というカードゲームとしては長めのゲームで、考えどころやほかの人との絡みの多さはちょっとしたボードゲーム級。
 場札がめくられると競りが始まる。手札を1枚ずつ出して合計値で勝負。勝った人は場札を全部もらえるわけだが、ここで目からウロコのカード処理。2番目だった人は勝った人が競りで出したカードを、3番目だった人は2番目だった人が競りで出したカードを……というように1つ順位が上のカードを受け取るのだ。これならうまい具合に競り値に応じたカード配分ができる。なるほど~。
 さて手札に入れたら、その中から好きなだけ並べることができる。ピラミッド上に並べて★の数だけ得点が入るが、同じ色のワイン3種類を直線か三角形に並べられたらボーナス。色も形も同じワインだったらボーナスが大きい。
 そんなわけで各自ほしいワインがだんだん絞られていくわけで、これが競りにも影響を及ぼす。ある人が出したワインが自分がほしいものだったとき、その人より1位下にうまく付けられれば手に入れられる。そこで敢えて高いワインを出さないで競り負ける手がある。あるいは場札をほしそうな人が複数いるようならば競り値の高騰が予想される。そこでさっさと先に下りて、高騰した競りのカードを安く手に入れるのもいい。競り残った人にしてみればやすやすともって行かれるのは癪なので早くやめる力がはたらくだろう。
 山札がなくなったとき、得点の多い人が勝ち。置くワインの数は皆だいたい同じなのでボーナスの勝負になる。
 序盤から少しずつ出してみたが、競りに使うカードがその分少なくなってジリ貧。月斎さんがコンプリートした1色を効率よく並べてダントツ1位。山札からのカードの出方によって柔軟に出し方を考えられるかがカギのようだ。

陰の騎士(Im Schatten des Sonnenkönigs / A.R.ムーン、A.ワイスブルム / アミーゴ, 2002)

自分の前にカードを並べ、その特殊能力で得点を増やすゲーム。アメリカで発売された『ナイト・オブ・ザ・レインボウ(1999)』のドイツ語版である。ドイツの作風をもつアメリカ人ムーンの作品だけれども、これはアメリカンな仕上がりを見せている。
 手番にはカードをめくって色別に自分の前に並べる。全員の中で一番多く集めていればその特殊能力でカードやチップを手に入れたり、カードを交換したり、ほかの人のチップを捨てさせたりできる。
 カードをめくったときに特殊カードが出たら競り。毎手番チップが入ってくるものや、カードを2枚取れるものなどがあり、効果に応じて値段がつけられるだろう。
 山札からルイ14世のカードが2回出たら終了で、チップやカードの総合得点が多い人が優勝する。
 チップを捨てさせるときに、相手を選べるので自然と拮抗するようになっている。出る杭はたちまちに打たれてしまう。そんな中で地味に力を蓄えて、最後の最後で得点を稼ぐ戦い方になった。得点になるカードを立て続けに引いた私がいきなり1位。それまでの削りあいは何だったのかとも感じたが、こうした直接攻撃系のゲームは過程を楽しむべきだろう。ほかの人の集めている状況を見ながら自分が取るカードを決めたり、カードの効果を見積もって競り値をつけたりするのが面白い。

ファントム(Das Phantom / W.クラマー / アミーゴ, 1993)

秘密の抜け道発見!

迷宮の中でバラとバイオリンを取って、怪人にさらわれた美女を救出するゲーム。怪しさ満点のシチュエーションだが、巨匠クラマーのゲームである。
 スタートプレイヤーは全員分のダイスを振って、その中から好きな1つを選び自分のコマを進める。残りのダイスから次の人が1つ取っては進み……というのを繰り返す。進める自由度は高いので、戦略的にダイスを選ぶというよりは先のほうが選択肢が多いというぐらいだ。
 全員が移動したらスタートプレイヤーは怪人のダイスを振って怪人の移動。怪人は壁もすり抜けてしまう怖い存在で、捕まると4マス戻されてしまう。戻されるときにも壁をすり抜けるので、復帰にはとんでもない手間がかかることも。そういうわけでスタートプレイヤー以外は怪人からできるだけ遠くに逃げるが、怪人にはワープというダイス目もあって絶対安全なところはないのだ。コワイ。
 迷宮には助けになるアイテムも隠されている。途中で手に入るタイマツでもう1回手番を行ったり、魔法カードで追加移動したりできるが、何といっても大事なのは迷宮タイル。これで壁を道したり道を壁にしたり、相手の動きを封じつつ、自分の活路を開こう。
 怪人に捕まらずにみんな早々と進んで終了。最後に抜け道とカードで一気に進んだにゃかのさんの勝ち。ライトなすごろくを基本としながら、いろんな仕掛けが盛り込んであって楽しい。ヘンなテイストのイラストも雰囲気を盛り上げている。

コロンブス(Columbus / W.クラマー / ラベンスバーガー, 1991)

なかなか来ないタイル

ヨーロッパ西海岸からアメリカに行って帰ってくるレースゲーム。これまた巨匠クラマーの作品でコンポーネントの豪華さが見もの。
 手番には手札からタイルを3枚、好きなところにおいてから船を進める。船はタイルを敷いたところでないと進めないので、まずは自分の進路を。余力があればほかの人の進路に難破タイルなどを置いて邪魔しよう。
 進む数は船がいるタイルによって異なる。満帆タイルで4マスから、しょんぼりタイルで1マスまで。レースに勝つには船の位置取りも重要だ。単独最下位はプラス1マス進めるという恩恵もあり、ゲームは写真のように団子状に進む場面が多かった。
 問題は自分の進路に必要なタイルがなかなか手札に来ないこと。特に北のアルファベットタイルO、C、E、A、N、U、M、M、A、R、Eと南西の島タイルは単騎待ちなのでそのタイルを誰かが抑えていたらアウトだ。適度に協力することが必要になるだろう。
 ほどよくタイルが並んでいる帰路は、タイルの上にさらにタイルを置くことができる。これでスピードを上げたり邪魔をしたりという戦いが起こるだろう。中央のコロンブスルートがうまく揃えば3マスずつ進めてここが一番早い。
 団子状なので一手を争うという戦いだった。私は一歩及ばなかったためブービー。タイルを移動できる竜巻タイルやジョーカーになるコロンブスタイルで流動性を持たせているものの、それ自体がなかなか手に入らなかったりして苦しい展開だった。

シックス(Six / M.プリンツ / アミーゴ, 2008)

意外に長い2分

時間を気にしながら慌ててダイスを振るゲーム。砂時計を逆さまにしたら筒で隠して、あとは勘で時間を測るしかない。サイコロが回ってきたらまずは3つ振る。その合計が自分の前に並んでいる3枚のカードのいずれでもなかったら今度は2つ。それも同じカードがなかったら1つ振って、外れていたら晴れてダイスをとなりの人に渡せる。途中で自分のカードと一致してしまったらまた3つ振りからやり直し。焦る焦る!
 その間、ほかの人は自分のカードを見ながら、ダイスで出た数と同じなら得点にできる。こちらはほとんど運任せなので、必死にダイスを振っている人を尻目にのんびりしていよう。
 自分にダイスが回ってきたとき、もう砂時計がないと思ったら筒を取ってよい。本当になかったら、前に振っていた人が時間超過ということになりペナルティでカードを1枚捨てる。反対に残っていたら時間間違いということで筒を取った人がペナルティ。砂時計は2分で落ちる。これが意外に長いことに驚く。
 勝つためには、さっさとダイスをとなりの人に渡すことが大事だ。一瞬でダイス目を合計して、自分のカードと合っていないか判断して、次に振るダイスの数を決める。この要領のよさがポイントになるアクションゲーム。焦って振っている人を見ているだけで楽しい。
 1回目はどんどんカードが当たって1位。2回目はゾロ目が出たらリバースという上級者バリアントを入れてみたが同じところを行ったりきたりして盛り上がりに欠いた。通常ルールで十分楽しめる。

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