自宅ゲーム会 06/06/24

つくば自宅ゲーム会 06/06/24

moonさん、米出さん、T.V.Flipperさんをお招きして4人でゲーム会。1ゲームが長時間になることが予想されたため1卓にしてのんびりと遊んだ。このところイチオシになったミケリノス王とアウグスブルクの合間に、新作や名作をちりばめながら7時間ほど。お越しいただいたお三方に感謝。

魚市場ミケリノス王海賊組合アウグスブルク|それ何やねん|タージマハル

魚市場(Fischmarkt / M.パピーニ / クレメントーニ, 2006)

魚市場お客様はいつも気まぐれで

陸揚げされた魚を競り落とし、客の注文に応える売買ゲーム。本年の推薦リストに入っている。作者はイタリア人で、開発はベニスコネクションチームが担当している。

ゲームは4日間にわたって行われる。早朝、船に3枚ずつ魚が並べられる。各プレイヤーはついたての陰で落札したい船にお金を置き、一斉公開。一番高額を出した人がその船の魚を入手する。
 午前中になると客からの注文が入る。陸揚げされる魚はウナギ、舌ビラメ、マグロ、スズキ、サバ、シイラ、サケ、タラ、ニシン、ロブスターの10種類。だがその日に注文にしたがって売れる魚はそのうちたったの4種類しかない。ここで要らない魚、欲しい魚をプレイヤー間で交換や売買したりする。
 そして午後、交換が終わると注文が来た魚を販売。売れなかった魚は氷コマを使って翌日に保存するか、さもなければ処分料を払って捨てなければならない。
 夜は手持ちから50ユーロだけ残して残りを貯金。この50ユーロは翌日の入札に用いることになる。これを4日間繰り返して一番多く儲けた人の勝ち。
 客からどの魚が注文されるかは予めカードを並べて公開されるが、そのうちどの注文が来るかはランダム。客はきまぐれなのだ。しかも陸揚げされる魚は全くのランダム。魚も気まぐれ。この2つのランダムを運と交渉で結合した人が多額の儲けを得るのだ。

 最終日に大商いをしたmoonさんが1位。私はマグロが不良在庫の足かせとなって伸びず。陸揚げと客の注文がかけ離れすぎていて、買い手がつかない船も多かった。注文が分からない段階の入札で敢えて大量入荷して、注文の後に欲しい人に高値で販売する横流し戦術や、その反対に入札に参加せずに注文が来てから動き出す戦術もあるが、何しろ保存できる氷は2つだけ、保存できなければ罰金なので足元を見た交渉が行われやすく、盛り上がりどころに欠ける感じがした。

ミケリノス王(Mykerinos / N.オウリ / イスタリ, 2006)

概要はこちら。特殊能力をフルに活用できる最終ラウンドにはエリアが4つから6つに増える。特殊能力を多めに取ってリードしている人もこれだけ広いと攻めきれないため、最後の逆転も可能になっている。よく作りこまれているものだと感心した。
 今回も博物館をなめていたら米出さんが5点を3ヶ所も取ってダントツ1位。ある程度タイルが集まってからその集まり具合を見て博物館に行こうと思っていたが全く間に合わなかった。博物館の布石は第2ラウンドの最初から打っておくのがよい。

海賊組合(Seeräuber / S.ドーラ / クイーンゲームズ, 2006)

概要はこちら。短時間ながら、ルール説明が2,3分で終わり他のゲームにはないジレンマが楽しめるゲームとして活躍している。
 経験の差で勝たせてもらったが、記憶はさほど重要ではないと思うようになった。ポイントは大きい船を襲うのに必要な5~6段の海賊組合で、5,6段目に5か?の海賊を置くことだと思う。この上にさらに海賊を置くと赤字のリスクが高まるので他の人は2の足を踏む。仮にもう1つ置かれてもさらに上に置かれることはまずないから、だいたいは1番か2番になりアイテムも手に入れやすい。皆がこれを心得てくると、また記憶力の要素が高まってきそうだが……。まだ行くか、まだ積むかと盛り上がるのがこのゲームの楽しみ方だろう。

アウグスブルク(Augsburg 1520 / K.ハルトヴィヒ / アレア, 2006)

概要はこちら。前回は5人で2時間かかったが、今回は4人で1時間。
 前回は終盤まで教会を買わない展開だったが、今回はmoonさんが教会を早めに入手したお陰でみんな続く。そうなると大聖堂が次の目標になる。最終ラウンド、大聖堂の購入資金1200グルデンを残して貴族の購入を絞った私が、1回だけ競りを成功させ、それで大聖堂を手に入れて、名声ポイント45点を超えて1位。この辺の損得勘定は、場に出ている特権カードの種類、手持ちの貴族カード、ラウンド終了時に入る名声ポイントの見込みなど多数の条件から総合的に判断していくもので、このゲームの面白さと言えるだろう。

タージマハル(Tadsch Mahal / R.クニツィア / アレア, 2000)

アグラを目指して

2000年にドイツゲーム賞を受賞し、アレアとクニツィアの名声を確固たるものにした作品。中世インド、ムガル帝国の首都アグラを目指して諸侯が宮殿を建築していくボードゲームだ。タージマハル旅行記はこちら

ゲームはボード上の12のエリアを順番に陣取りしていく。手持ちのカードを順番に出して、カードに描かれたシンボル―象、ムガール、大臣、領主、僧侶、王女―について、最多ならば宮殿を建てたりその土地の交易品を獲得したりできる。宮殿は複数のエリアにわたってつながっているほど得点になり、交易品は集めれば集めるほど得点になる。こうして12ラウンドやって、得点の多い人が勝ち。
 このゲームの醍醐味はカードの出し方だ。手札から1~2枚ずつ出していき、1周して再び自分の番になったときにさらに出すか降りるかを選ぶ。降りることにした時点で、全員のカードと比べて最多になっているシンボルがあれば、宮殿や交易品をもらえるというわけだ。最初から全く出さないで降りてもよいが、そのラウンドは何ももらえないことになる。また、頑張って出しても他の人とかぶっていれば、徒労に終わるかもしれない。どうせ取れないならば手札を温存して次のエリアに備えるのがよい。自分が何を狙っているのか意識しながら進めたいものだ。

中盤、米出さんが交易品の大量取得と王女のカードで独走状態に。それを止められる人がおらず、追い上げようにも残り3人が潰しあうかたちになってしまう。一時は追いつくかに見えたが、その間に手札をたんまり溜め込んでいた米出さんが最終ラウンドを制してそのまま逃げ切り1位。こういう展開では、中盤で勝敗が決してしまい逆転する手段がほとんどないのが気になった。時間は約60分、得点計算方法がちょっと混乱したが、進行は分かりやすいので繰り返し遊んでみたい。

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