秋葉原水曜日の会 06/01/25

秋葉原水曜日の会 06/01/25

全部の週末が仕事だった今月、なんと皆勤となった水曜日の秋葉原。すっかり心のオアシスになっている。全く異なる世代・職種の人が遊びたいゲームを持ってふらりと立ち寄り、夢中になって短いひとときを過ごす。皆が持ち寄るゲームは定番中の定番から、前からずっと遊びたかった絶版もの、本邦未紹介の超新作と、いずれも魅力に満ち溢れている。平日の昼に来られる事情はさまざまのようだが、皆面白い方々ばかりで卓を囲んで楽しい。

ウント・チュースカラバンデ我らが王のためにシュート&ゴールスカイランナー

ウント・チュース(… und Tschüß! / M.ワレス / ゴルトジーバー, 1997)

ウントチュース中途半端が一番ダメだ

マルティン・ワレスと言えば蒸気の時代からフォルダンプ、最近ではルーンバウンドと重めなゲームの代名詞といえるほどのデザイナーだが、こんな軽いカードゲームも発表している。4人で3枚のカードを取る競争。一番得するのは、そしてただ1人あぶれるのは誰か?

 全員手札から1枚ずつ同時に公開して、一番低い数字を出した人が場の一番低いカードを取って抜ける(写真ならばマイナス10点)。残りの3人でまた1枚ずつ出して、カードの合計が一番低い人が場の二番目に低いカードを取って抜ける(写真ではプラス12点)。
そして2人で決勝。また1枚ずつ出して、合計が高い方が最後に残ったカードを取ってラウンドが終わる。決勝で負けた人は「ウント・チュース!(じゃあね、バイバイ)」。何もなしでガックリ。

 写真のようにマイナスカードが混じる場、高いカードばかりの場、1枚だけ高いカードの場など、それぞれ戦術が変わる。積極的に最初から1枚取って抜けるのもありだし、わざと決勝に残らないで取らないリスクを減らすのもありだ。決勝を狙うなら、最初からある程度高いカードを出していかなければならない。その辺の匙加減が、他のプレイヤーの思惑と絡み合って、シンプルすぎるほどシンプルながら盛り上がるゲームである。久しぶりに遊んだずーあーさんの負けっぷりがよかった(私も激負けしましたが)。

カラバンデ(Carabande / J.d.ペール / ゴルトジーバー, 1996)

力加減がポイント

F1レースをおはじきで競うアクションゲーム。木製のタイルを組み合わせて作る豪華レース場が見もので、その分お値段もなかなかのもの。昔メビウスで販売されていた頃、その値段と箱を手に取ったときのずっしりとした重みに買うのがためらわれたのを思い出す。その後ほどなくして絶版になったが、フランスから再版されたところを見ると、ファンの人気は根強いようだ。りてんさんのお持ち込み。

 指で弾いて自分のコマを進め、コースを最速で3周すれば勝ち。ほとんど説明は要らないが、コースアウトしたりさせたりすると前の位置からやり直しで、裏返ると1回休みになる。

 コースの側壁を上手に利用できれば見事に飛んでいくのだが、ちょっと強いだけでもコースアウトするので、あまり思い切っては弾けない。コースの継ぎ目に引っかかることもある。もっとバシバシ打って爽快感を味わうゲームかと思っていたが相当の繊細さを要求されるゲームだった。それと、プレッシャーへの耐性。キャロム経験者にもかかわらず、集中力が足りなくてビリ。アクションゲームなので得意不得意はあるだろうと思う。側壁にうまく反射して難しいカーブを見事クリアすると、皆から拍手が起こった。

我らが王のために(Im Auftrag des Koenigs / L.クチュケ / アードルング, 2004)

アーサー王のおつかいで

アドルング特有の、ボードゲーム級に難易度を上げたカードゲーム。プレイヤーは円卓の騎士となって、名声を上げるべくキャメロット城から冒険に旅立つ。よたろーさんのお持ち込み。

 騎士はまず、キャメロット城で実力を蓄える。知力、勇気、剣術、槍術。これが貯まってきたらアーサー王から指示されたクエストを遂行しに山へ森へ。クエストがてら現地の住民を救ったり、キャメロット城で力比べをして名声を高めていく。
 システムはプロット系で、各ラウンドに3つの行動を選び、それらを一度に実行する。剣術を磨いて、新しいクエストを取って、力比べ。あるいは勇気を鍛えて、馬で谷に移動して、そこでクエストを遂行。いろいろな組み合わせができるが、騎士がキャメロット城にいないとできない行動、反対にキャメロット城を出ていないとできない行動があり、プロットを誤ると何もできなかったりする。しっかりしたプランニングが必要だ。
 しかしそれだけではない。行動の選択は早い者順。誰かが勇気を鍛えることにしたら、他の人はそのラウンド勇気を鍛えられない。クエスト遂行は2人まで。馬も移動数が少なくなっていく。思い通りに行かない中でベターな選択をしながらプロットしていかなければならない。

 とはいえ選択がない人にも次の手、次の次の手が用意されているのがこのゲームのよいところで、ゲームは僅差になった。手番は点数の低い人から始めるというルールが、さらに僅差になるようにしている。みんなあと1つクエストを達成すれば上がりというところで、手札を溜め込んでからキャメロット城を出発したよたろーさんが連続でクエストを達成して1位をもぎとった。私は途中のプロットミスが響いてそのまま一歩及ばず。僅差になるということは、注意深く無駄のない動きをした人に勝機があることを意味している。

シュート&ゴール(Schuß & Tor / L.ホフマン / ルックアウトゲームズ, 2001)

キャプテン翼ぐらいのテンションで

サッカー中継しながら遊ぶカードゲーム。実はホフマンが1973年にベルリナー・シュピールカルテンから発表したゲームの2回目のリメイクで(1回目はフランニョスから1988年)、実はサッカー王国でもあるドイツの人気を物語る。よたろーさんのお持ち込み。
 2対2のチーム戦で遊ぶ。5人の選手がおり、カードには誰から誰にパスか書いてある。チームが対面になるように座ってスタート、時計回りにカードを出して解説を加えていく。
 「おおっと、ルイージ選手、フリッツ選手にパスだー!」「そしてフリッツ選手はオットー選手にー!」「オットー選手、ドリブル突破ー!」「そこで再びルイージ選手にパス!」そうしているうちに指定された選手のカードがないことがある。そこがシュートのチャンス。「…と思ったらルイージ選手いなかったぁー!!」「シュート!!!」
 シュートカードを引くとゴール判定。ハンド、ファウル、ゴールキックなどで外すこともあるが、なぜか2得点なんていうものも。延長戦もあり。手札はどんどんなくなっていき、敵が何を持っていないか分かるので後半はシュートの応酬だ。さあ、どちらが勝つか?!

 序盤にいきなり2得点したよたろー&おのチームが、後半の猛攻を凌いで4:2の勝利。システムもへったくれもないバカゲーだが、ゲームのテンポはいいし、カードに描いてある妙にシリアスな選手がいい味を出していて、けっこう盛り上がった。(写真:Adam spielt

スカイランナー(Sky Runner / D.グリム, E.カールソン, J.セブラン / ラベンスバーガー, 2000)

サルと○○は高いところが好きだという

何の目的もなく、ひたすらビルをよじ登っていくゲーム。目的があるとすればそれはただひとつ、他のクライマーよりも早く屋上に着くことだけだ。大迫力の3D高層ビルをエッチラオッチラ登っていく。タナカマさんお持ち込み。

 ビルは上昇カードを出して登っていく。この上昇カードは、「はげたかのえじき」方式の競りで手に入れる。つまり、全員がパワーカードを一斉に1枚出して、バッティングしない限り一番高いカードを出した人がもらえるのだ。
 この競りで、パワーカードを出す代わりに上昇カードを出した人は、競りには参加せずにビルを上ることになる。ヨイショ、コラショ、ドッコイショ。またこの競りでおんぶカードを出した人は、出された上昇カードを手に入れられる―バッティングしない限り。
 上昇カードのほかにロープカードというのがあって、これは第一階層から第二階層(ビルが小さくなるところ)、第二階層から第三階層、第三階層から屋上に上るときそれぞれ必要になる。また、他の人の頭の上を乗り越えていくのにも使える超重要アイテムだ。終盤は特に需要が上がり、これをほしがる人の群れでバッティング続出。
 登るだけではない。滑落カードは競りで負けた人がずり落ちるし、トップを狙って落とす足引っ張りカードもある。このためゲームは一進一退。頭ひとつ抜けるたびに誰かに足を引っ張られる。そんな中から抜け出すたくましいクライマーが求められているのだ(どこで?)。

 階層と階層のはざまでロープを待つ人の群れで大渋滞。なまじちょっと登ると、下の階層にずり落とされてまたロープが必要になるので、上昇カードもロープカードも揃えてから登りたいわけだ。前半は隣りのよたろーさんとバッティングしまくり出遅れてしまったが、少しビハインド気味に登ってマークを外しながらカードをため、終盤一気に駆け上がって1位。登り終わった後、屋上からの眺めは最高だった。

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