自宅ゲーム会 05/01/14

自宅ゲーム会 05/01/14

昨年より計画していたつくばでのゲーム会は、土日が空かなかったためワガママによって金曜日開催。平日につくばまで足を運ぶというのは当然のことながら限られてくるけれども、そんな中で集まってくださったのは自由度の高いお仕事の方、つまり自分の責任でお仕事を遂行しなければならない方々である。仕事を前倒ししたり、後につめたりして平日を空けるたいへんさを慮ると、社会に背を向けているような気分も手伝って申し訳なさも募ってくる。
 とはいえそう思うのは始まる前と終わってからのこと、始まってしまえば何もかも忘れて楽しく盛り上がる。今回は合計6人の参加となり、6人ゲームをしばらく遊んだ後、4人卓/2人卓という分け方を提案。4人卓と比べて遊べるゲームの少ない2人卓には2人専用ゲームを始めから並べて寂しくないようにするとともに、ローテーションを作って同じ人が入らないようにした。その結果、通常のゲーム会ではなかなか遊べない2人専用ゲームも楽しめてなかなか満足できる会に。最後に再び6人に戻って終了。
 参加者はファラオさん、puppiさん、かゆかゆさん、けがわさん、米出さん。このうち前三者の方々は翌日もカワサキさん宅でゲーム会をしたらしい。すげえ。

マティックスノミのサーカスキュージェットリアクションチーズポジットカルカソンヌ・ディ・ブルクテラ・トリューム稲川淳二の大校則プレムプレム

マティックス(Mattix / Orda Industries / Gakken, 2004)

マティックス損して得とれ

30万個売れてドイツ語版も出たアルゴに続く学研「頭がよくなるゲーム」第2弾。おもちゃ屋でなく本屋で手に入るメリットを生かしてこのゲームもいくら売れるか楽しみなところである。
 アルゴに引き続き、基本は2人ゲーム(チーム戦で4人、ソリテアで1人も可能)だ。ボード上の「+」マークから、先手は横一列のうちいずれかのコマを取る。コマを取ったら「+」マークをコマがあったマスへ。今度は後手がそこから縦一列のうちいずれかのコマを取り、また「+」コマを移す。これを繰り返してどちらかが何も取れなくなった(「+」コマが空の列にきた)とき、ゲーム終了となる。取ったコマを合計して多い方が勝ち。
 目先の利益で点数の高いコマを取っていても、その後の相手に有利なところに「+」コマを動かしてしまっては勝てない。いかに相手に点数の高いコマを取らせないか、マイナスのコマを押し付けるかが戦略のたてどころで、「オレがこれを取ったら、彼はあれを取って、そうするとオレはこれを取るから…」と先の先を読まなければいけなくなる。考えなくても遊べるが、考えるほどに深いゲームだろう。だが何となく、初期配置で有利不利がでてしまうような気がしないでもない。
 子どもでも遊べる4×4マスのゲームと、マイナスも入れて複雑にした5×5マスのゲームが遊べるようになっている。アイデアは1970年代にイスラエルで発案され、ドイツでも1975年に発売された。なおドイツ語版は8×8マス、-10~+15までコマがあって結構重そうだ。
 現在日本のボードゲームは転換期を迎えている。キャラクターへの安易な依存、運だけのスゴロク、ゲームをぶち壊す特殊カード…一言でいえば子どもだましの類から、いくつかのゲームは確実に脱却しつつある。学研のこのシリーズも、そうした新しい潮流に乗っていると思う。シンプルすぎるほどシンプルなルールを採用しなければならないために深みが少ないのが私には不満だが、これもユーザーを重視した結果として評価できる。第3弾にも期待したい。

ノミのサーカス(Flohzirkus / J.Winslow / F.X. Schmid, 1997)

蚤虱 馬の尿する 枕もと(芭蕉)

プラスチック製のノミのコマをフェルトの上に乗せる。コマの端をもうひとつのコマで押さえ、力を加えるとピョーン! どういう仕組みで飛ぶのかは実際見てみないとなかなか分かりにくいが、これがなかなかよく飛ぶものだと感心する。このノミのジャンプを利用したアクションゲームだ。
 ボード上は5つのエリアに分けられている。中央はゴミ箱だからアウト。残り4つのエリアで最多数のノミをめざす。手番には自分の手元から4つのエリアを狙ってピョーン! ちびって手前に落ちたり、飛びすぎたりしたらもう1回チャレンジできる。
 順番に1匹ずつ入れて行き、10回終わったら得点計算。各エリアごとに入れたノミの多い人がポイントを獲得。同数のときは赤白の線により近い方が勝ちとなる。だから同じエリアでも、赤白の線に近い方を狙おう。でもそのすぐ先はゴミ箱だから要注意!
 ノミの中には「おバカさん」がいる。これを入れられたエリアは得点計算なし。自分が得点できなさそうなエリアにはこいつだ。対抗するには「ネット」をそのエリアに入れて「おバカさん」を無効にしなければならない。でもそう思い通りに飛んでくれないのがこのアクションゲームの面白いところ。
 さてゲームが始まると、まずは一番確実な自分の近くのエリアあたりから確保していく。他の人が入ってくれば自分のノミを入れてもいいし、「おバカさん」を入れられても「ネット」を投入しやすい。そのうち遠くのエリアにちょっかいを出し始める。投入は難しいけれども、見事狙って着地した日にはブラヴォーものだ。中には滑って「おバカさん」を自分のエリアに落としてしまったりなんてことも。「行けーっ!」「しまったぁ!」「ふう、助かった」……一投一投に歓声が上がる。
 チップを飛ばすというアクションだけでない、位置取りや狙う先の選択といった戦略めいたものも加味して面白いゲームに仕上げているのはさすがドイツ。私はこういうゲーム好きです。

キュージェット(Q-Jet / W.Riedesser / Mobius, 2004)

ピットのとき、カエサルっていうの禁止!

 日本一のボードゲーム輸入店メビウスは、あくまで輸入店というスタンスを崩していない。昨年はサンファンの完全日本語版とアベカエサルのリメイクであるこのゲームを制作・発売したが、サンファンは「ドイツ語のままでは遊べない」という理由で日本語化しただけであり、このゲームも「アベカエサルをまた作ってほしいとメーカーに言ったが無理だった」というのが製作のはじまりだったという。どちらにも共通するのは、海外の面白いゲームを紹介したいという熱意であって、メビウスの名前を上げるためとかそういうことではない。私は店長のこうしたポリシーがとても好きだ。
 さて、ローマを舞台にした馬車レースアベ・カエサルはメビウスによって22世紀を舞台にしたスターウォーズの世界に生まれ変わった。地面を浮いて走る最新型のジェットカーが、その性能を完全に殺してしまう狭いレース場にやってきた。コースの幅が狭い上に、安全装置が働いて絶対接触しないようになっている(らしい)ので、一部のコースで前の車を追い越せない事態が発生。前が詰まっていて進めなければ1回休み、または遠回りを余儀なくされる。いかに後ろの車を妨害して順位を上げさせないか、いかに前の車をすり抜けて順位を上げるか、最後まで気の抜けないレースの大興奮は、リメイク後も健在だ。
 移動は3枚の手札から1枚出してその数だけ進み、また1枚補充する。カードは全体として構成が全員同じになっており、出てくる順番に多少運の要素があるものの公平である。だからこそ、臨機応変のカード選択が勝敗を分けるのだ。強い人は、何度やっても上位に入り込んでいく。以前、西湘ボードゲームサークル(活動休止中)で「アベカエサル&ウサギとハリネズミ大会」の開催が企画されていたが、この2つのレースゲームは、スゴロクという範疇を明らかに超越している。
 レース中、1回だけピットインしなければならないことになっている。3周するうち1周目で入っても2周目で入ってもよいのだが、皆がピットインを目指すと渋滞になり、その分ロスしてしまう。だからいつピットインするかも戦略のたてどころだ。なお、前作でここは敬礼をするためカエサルに謁見するという設定になっていた。
 後続の妨害にも効果的な場合とそうでない場合があり、例えばブービーとビリで必死に叩き合っていてもトップを助長することになりかねない。この辺をわきまえないと、特に初心者には単なるいじめのゲームになってしまうのが欠点といえば欠点か。前作よりも箱がスリムになり、何よりも中古市場で一時は30,000円まで高騰していたのが安価(3,800円)で買えるようになったのが嬉しい。普段あまりゲームを遊ばない人も含めて、幅広くお勧めできる一品である。

謝辞:ゲーム提供・メビウス

リアクション(ReAction / M.Hiron / Schmidt, 2002)

2つのことを同時に考える

手札から指示にしたがってカードをどんどん出していき、早くなくした人の勝ちというゲーム。アセアセの同時プレイは、落ち着いて判断力を研ぎ澄ませるのがポイントだ。エキサイティングで胸がドキドキ。
 カードにはアルファベットと数字がいろいろな組み合わせで描かれている。指示カードは「+」「-」「=」の3種類。「+」が出たら昇順(1→2→3…またはA→B→C)、「-」が出たら降順。「=」は同じアルファベットと数字。ワードバスケットのように一斉にカードを中央に放り込んでいく。
 アルファベットと数字を両方見ておかなければならないのがたいへんなところだが、両方でチャンスを狙うあまり虻蜂取らずになることも。頭というよりも、カードを仕分ける手先がフル回転している。「+!」「D3!」「B4!」「A5!」「B1!」「C6!」……。
 最初の手札がとても多いので、全部見ている暇などない。見つけたものから、思いついた順にどんどん放り込む。コンボで連続して出していけば他を寄せ付けず一気に手札を減らすこともできよう。しかし実際には、得意な人と苦手な人がはっきり分かれたようだった。○

ここでお昼休憩。休憩はシールを溜めている関係上、相変わらずピザーラ。溜まったときにゲーム会に参加している方はピザ代がタダになりますよ(誰に言っているのか)。

チーズ(Käse / J.Widderich / Cardchess, 2004)

お母さんも迷子だったり

コンポーネントを見ただけで一目惚れしてしまうこのゲーム、中身は記憶ゲームである。はじめに自分の色がひそかに指定され、その色のネズミを自分の巣に集めるのが目的。ネズミは中央のチーズの机の周りに集まっていて、どれが誰のか最初は分からない。
 自分の番にはまずチーズのフタを1つめくる。チーズのフタの裏には1~4の数字が書いてあって、その数字が手番の移動数になる。そうしたらチーズのフタを移動しよう。ネズミの上にかぶせればそのネズミが何色か確認することができる。
 次にその数字だけネズミやネコを移動。自分の色のネズミを自分の巣に返すことが一番の目標だが、そうではないネズミをネコで捕獲したり(捕まったネズミは振り出しに戻る)、カモフラージュのために関係ないネズミを動かしたりすることも。
 最後に椅子を移動してみる。椅子は向きを変えたり場所を変えたりして、巣に帰ってほしくないネズミやネズミの近くにいるネコを邪魔するのに使う。これが結構大きくて、邪魔なこと邪魔なこと(使い勝手がよいともいう)。
 さて、こうしているうちに誰かの巣が4匹のネズミで埋まったら解答のはじまり。自分の色を明かし、1匹ずつ自分のネズミだと思うものをめくっていって、全部自分のネズミだったら勝ちなんだが……問題は最初から巣にいるお母さんネズミ。4分の1の確率で自分の巣にいることもある訳だが、違っていたら持ち主に返してあげなければならない(持ち主はここで自分の色を明かす)。
 これによってその持ち主のところに4匹ネズミが集まったら再び解答が始まり、1匹ずつめくっていく。間違っていたら持ち主に返して…以下同文。ここで問題。母ネズミ以外全部揃った人がいた場合、その母ネズミをめくってしまったらどうなるか? その人の勝ちになってしまうから母ネズミをめくることはできない。だからその母ネズミだと思わしきネズミが自分の巣にいる人は、決して上がることができないというわけ。子ネズミはいずれ帰ってくると踏んで他の人の巣に入れてしまうという戦略もあるが、母ネズミは最初から巣の中にいて、めくるまで色を確認できないから運任せだ。子ネズミを頑張って覚えても母ネズミでこけるのは合点がいかないようだった。
 母ネズミは最初から自分の巣にいるようにして、3匹の子ネズミを集めるというゲームにすれば改善するかもしれない。

2人卓でテニスマスターズバルーンカップ

ポジット(Posit / Anonymous / Yanoman, 199X)

追い詰める快感=追い詰められるスリル

碁と将棋が普及している日本では、ドイツではあまり好まれないといわれるアブストラクト(2人専用の情報完全公開)ゲームへの寛容性がある。このゲームはずいぶん前に発売されたアブストラクトゲームで、「創作ゲーム用のキューブを取るのに最適」などと揶揄する声を聞いたこともあるが、私のお気に入りのひとつだ。後輩と必勝法をずいぶん研究したりしたものだが、売り文句にもある通り勝ったと思った次の瞬間負けているのが不思議だ。手順の簡単さ、展開の多様性、立体の見栄えどれをとっても素晴らしい。
 手番にはコマを動かしてブロックを1つ置く。これだけ。最初は地階からスタートするが周りに足場がなくなったら2階に上がり、また足場がなくなったら3階に上がり、そこで足場がなくなったら負けとなる。したがっていかに相手の足場をなくすか、自分の足場を確保するかがポイントとなる。守るも攻めるも紙一重。前に相手の足場をなくすために置いたキューブが、今度は自分の足場になっていくように立ち回るのが面白い。
 相手のコマがいるマスに入ることはできないので、自分のコマをどんどん近づけて相手を追い詰めていくというやり方。少し離れたところで足場を確保しつつ、相手の周りに壁を積んでいくというやり方、あえて攻めずに野放しにしておいて罠にはめるというやり方、さまざまな戦法を取ることができ、そのたびに展開も変わる。2階に上がる前に、罠にはめられて壁で囲まれ負けてしまったこともあった。
 終盤は一手の差が勝敗を分ける厳しい戦いになることが多い。そして足場はどんどんなくなっていくから展開が自然と早まる。足場を作って逃げるか、相手の足場を封じて攻めるか。攻防が終わった後のボードの美しさを見返すのも楽しさのひとつだ。
 久しぶりに遊んだが、その魅力は10年経っても色あせていないことがわかった。

カルカソンヌ―ディ・ブルク(Carcassonne – Die Burg / R.Knizia & K.-J.Wrede/ Hans im Glück, 2003)

都市建設はかくあるべし

数あるカルカソンヌシリーズで唯一、別の作者が手がけたものであり、それがあのクニツィアとあっては期待しない方がおかしかった。しかし2人専用という間口の狭さもあってかあまり話題になることなく今日に至っている。ドイツでも安売りされているのを見る限り、本国でもそれほど受け入れられなかったのかもしれない。
 このカルカソンヌは、最初から城壁が固定されていてその中にタイルを置いていく。だから狭い。道以外は絵柄がつながっていなくても置けることになっているが、それでも狭い。序盤はどこに置いたらいいか迷うほどだが、そのうちすぐに置きたいところに置けない、または置けるところがほとんどない事態が発生。ましてや大きい塔や家、市場を欲張って広げていればなおさら置けるタイルが限られてくる。最後まで閉じなければ0点だ。欲張るほどに自分の首が絞まるのはクニツィアの得意技、きりきり胃を痛めることに。う~ん、クニツィアめ~!
 この狭さが一番の面白さだが、さらに相手に先駆けつつ上手に得点することで手に入る特殊タイル、家の大きい人に与えられ、タイルが置かれなかったマスの数で決まるボーナスなど、何度か遊ばないとものにできない要素もつまっていて奥が深い。今何点取れば特殊タイルをものにできるのか、それとも特殊タイルはスルーして高得点をめざすか。家は自分が取れそうか、取れないならば空きマスをどう埋めれば相手のボーナスを最小限にできるか。……常に相手の動向を見極めておくことが要求されている。まるでクニツィアの面前で遊んでいるような感覚だ。「ノーノー、それは悪い一手だ」と言われているような気がした。
 皮肉にもこれらのクニツィアらしさがカルカソンヌ本来のもつ自由さを殺し、評価を下げることになるようだ。しかしこれはカルカソンヌではない。同じゲームだったら、このゲームの存在価値がなくなってしまうだろう。シリーズ中カルカソンヌから最も離れたゲームとして、私は高く評価したい。カルカソンヌになまじ似ているばかりに重さが気になってしまうディ・シュタットと比べても、全く違うプレイ感を出すことに成功したこのゲームのほうが優れていると思う。

4人卓でハンザ

テラ・トリューム(Terra Turrium / W.Kramer / Frankh-Kosmos, 1990)

絶えざる破壊と創造

はじめは平らで中央がもりあがったビル。これを崩しては積み上げ、どんどん高くしていく。こうして奇妙な砂上の楼閣ができあがる。目的は自分のコマ6つを1~6階の全てに配置すること。15年前のゲームだが、立体ボード、アクションポイント制といったクラマーの戦略ゲームの原点を見ることができよう。
 さて手番にはまず、ビルのパーツを集めるところからだ。ボードの外側からアクセスできるところから取る。だんだん周囲が削り取られていけば、やがてほかの人が建てたビルを崩しにかかることも可能だ。同じことは、自分のビルについても言えるのであまり外側近くに建てないこと、建てたビルは自分のコマでガードしておくことも大切。
 そして、取ったビルのパーツを自分の好きなところに置く。自分のコマがアクセスできる付近に、1階から6階を用意しておかなければない。どこを高くすれば効率的かを考えよう。中央ははじめから2階になっていてビルを高くしやすいが、その分他の人に乗っ取られる危険がある。
 最後に、自分の6つのコマを移動する。1つのコマが1マス動くのに1アクションポイント、合計5アクションポイントまで移動できる。階数が違うときは1つ上か、1つ下の階までなら移動できるが、それ以上階数が離れていると不可。敵のコマのいるマスに行けばそのコマを放逐して乗っ取ることができるが、追加のアクションポイントが必要となる。1つ上の階にいる敵ならば2、同じ階ならば1、1つ下の階ならば0。つまり要となる5階と6階は下から攻めていくことになるが、なかなか攻め落とせないというわけだ。それよりも自分で6階を作った方が早かったりする。なお放逐されたコマは外側の1階から再スタート。
 ボードは4つの陣地に分かれていて、自分の陣地で建設をしている限りは平和に進行する。相手の陣地で乗っ取れるのは5回まで。むやみな殺し合いが起こらないようにしてある。それでも終盤はずいぶんと荒むが、乗っ取り、乗っ取られの攻防を楽しむのもこのゲームの醍醐味かもしれない。
 このたびは序盤に高いビルを築いてリーチとなったけがわさんに、私とpuppiさんが便乗。けがわさんのコマが次々と海の藻屑と消える中、自陣も整備していたpuppiさんが6階全てを制覇して勝利となった。完全情報公開なのでどうしても重くなりがちだが、戦略とひらめきでいいパターンを見つけるのは楽しい。どんどん変容していくボードの形状に感激。

2人卓でテニスマスターズ、バトルライン、フリックスミックス、太った悪魔

稲川淳二の大校則(J.Inagawa’s Daikoosoku / A. Takahashi / Yonezawa, 199X)

愛のしつけ棒

へんてこりんな先生を、へんてこりんな生徒でなだめていくというゲーム。先生は「酒は禁止」「坊主頭以外認めない」などの校則を掲げており、これにひっかかかった生徒は捕獲されてしまう。でも、うまく生徒が揃えば逆に先生を捕獲することも。こうして捕獲した生徒と先生のポイントで勝敗を競う。
 先生役は順番に。山札から先生カードをめくって10数える間に、他の人は協力して生徒カードを出し合う。うまく出せれば流せるし、先生を捕獲するチャンスすらあるが、出せなければ生徒は捕獲されてしまう。
 山札からときどき「愛のしつけ棒」カードが出てくる。これがこのゲーム最大の醍醐味。先生役は愛のしつけ棒をすばやく取って誰かの頭をボカン! ガードが遅れて頭を叩かれた人は、それまで集めたカードを全部持っていかれてしまう。
 昔、ドイツゲームがなかった頃は、こんなゲームを何度も遊んでいたものである。愛のしつけ棒ではなく手が当たって、生傷を作ることもあった。そんなノスタルジーに浸りながら、今日も笑った。

プレムプレム(Plem Plem / W.Kramer / Schmidt 2001)

だんだん無口に

クラマーのパーティーゲーム。うすのろまぬけやせんだみつおゲームのような小ゲームがいくつか入っており、ミスをするたびにブラックチップをもらっていく。8つ集めたら負け。最初に各自2単語で名前を作り、ゲーム中は自他共にその名前で呼ばなければならない。「バミューダ炭水化物」「ランボルギーニリュックサック」「三遊亭地獄」…など。
 つらいのは途中で指定される「する」「するな」カード。今回は「手で体を触れてはいけない」「ダイスを振る前にうなってオイェミナー!と言う」「数字を言ってはならず、指で表す」「質問されたら、ウィンクを3回してから答える」「相手の名前を全てあ行に変換する」が出た。これらの指示は上書きされず、前に出たものも全て有効。「バマャーダたんさあかばたさん、ブラックチップは何枚ありますか?」「(指で4)枚です。」
 あまりに縛りが多く雑談中にもミスが発生しかねないので、次第に無口になっていくみんな。でもミニゲームでは否が応でも口を開かなければならない。心臓ドキドキで、puppiさんが沈んでゲームが終わったときは心からほっとした。

ゲーム会終了後の夕食では、puppiさんとplay:gameのデータベースをどう活用していくかという話題。今度帰国したときには、一度サイトを持っている方にできるだけたくさん集まってもらって意見交換しようという話になった。もちろん、それは口実でメインはゲームになる可能性大だが。

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