自宅ゲーム会02/11/10

自宅ゲーム会02/11/10

 エッセン行きなどがあって久しぶりの自宅ゲーム会。風邪を引いてしまい、回復具合を見てぎりぎりに開催を決定した。そのため参加者には直前の連絡となってしまったが、快諾を頂けた。感謝多大。
 前日名古屋EJFにいらっしゃったたかのさんは名古屋からの駆けつけ。用事でたまたま近くに来られた神奈川ののごさん、「都内ではほとんどゲームをしていない」という都内在住のかゆかゆさんも移動距離・時間は相当なもの。そして茨城県内からのSeさん、Moさんに、松戸からN君。こんなに集まるのは我が家では初めて。
 つい張り切りすぎて風邪をこじらせてしまった。

ステーションマネージャー農夫の悪だくみこんなもの、どんなもの?テントウムシの仮面舞踏会レディーボーンクレイジーレースミシシッピークイーンベネチアの仮面舞踏会サマルカンド

ステーションマネージャー(Station Manager/M.Schacht/Timbuktu, 2002)

ステーションマネージャー 貨物列車の操車場で、契約どおりに貨車を組み合わせて点数を稼ぐゲーム。「王と枢機卿」「ジャンク」のシャハトが自分の会社ティンブクトゥから、今年のエッセンで発表した鉄道3部作の1つです。
 内容はいたって簡単な絵合わせです。手番には山札から2枚か場札から1枚を引き、ツーペアやフォーカードなどの役ができたら公開して契約カードをもらいます。公開したカードは1点、契約カードは額面上の点数です。
 別の人が同じ役を作ると、契約カードはその人のものになります。ですのでツーペアなどの簡単な役よりもファイブカードなどの難しい役を狙ったほうが契約カードをキープできます。しかしカードの種類がとても多くてなかなか役ができません。ゲームが終わるまでにどの辺で見切りをつけるかがポイントです。
 ツーペアがそろうたびに公開するせこい方法で、私が1位。引き運に大きく左右されるのはカードゲームの特性かもしれませんが、カードの絵が地味で鉄道ゲームという感じもあまりしませんでした。

農夫の悪だくみ(Beuernschlau/T.Schoeps/F.X.Schmid 1991)

 悪い羊を他プレイヤーに押し付けながら、自分の牧草地によい羊を囲い込むゲーム。91年の年間大賞ノミネート(大賞はドリュンター・ドリューバー)、ドイツゲーム賞銀賞受賞(金賞はマスターラビリンス)作品。国内ではあまり知られていない作品ですが、「安田均のボードゲーム大好き!」で安田氏がほめていたのでエッセンの中古屋さんから買ってきた一品です。「12星座ゲーム」のシェープス作。
 手番には、
  1.羊チップを1枚引き、こっそり見て牧草地に置く
  2.牧草地の羊チップをめくる
  3.犬を使って羊を追い払い、移動先でめくる
  4.柵をのばす
のいずれかができます。最終的には、柵を伸ばして自分の土地を確定させ、その土地全てに羊を置くのが目標です。土地を広げれば柵が完成しにくくなり、また悪い羊が入り込みやすくなります。しかし土地が狭いとよい羊も少なくなり、また早上がりになるので他プレイヤーに邪魔されやすくなります。どれくらいの広さで上がるか、どのタイミングで羊をめくるかのジレンマに悩まされるゲームです。
 黒い羊(-3点)をめくると追加で2アクションできるというルールがあり、これをうまく使うことがポイントになります。特に黒い羊を自分で引いたプレイヤーは、置いた場所を覚えておいて犬で他プレイヤーに押し付け、さらに2アクションで好きなことをするという超強力プレイ(これはバランスが悪いという評も)ができるので、これを使わない手はありません。
 黒い羊が飛び交う展開の中で、たかのさんが唯一プラスポイントで1位。土地を広くしてそこに黒でも白でもどんどん羊を集めてくるという戦法でした。ブラフの要素もないことはないですが、それよりも黒い羊をいかに多く引くかというところが主要な要素になっているのは、表題どおりなのでしょうか。

こんなもの、どんなもの?(Ein solches Ding/U.Hostettler/Abacus, 1998)

 カードを1枚ずつ増やしながら、その全てに合致する何かを考えるコミュニケーション系ゲーム。「シュラウム人」のホステトラー作で、89年年間大賞ノミネート(大賞はカフェ・インターナショナル)、90年のドイツゲーム賞銅賞(金賞は貴族の務め)という成績を残しています。ドイツ語だらけのカードなので国内では知られていません。西湘ボードゲームサークルの「アクション・コミュニケーションゲーム特集」に触発されて個人輸入、コミュニケーションゲームの大家・たかのさんが遊びにくるというので急遽翻訳しました。
 はじめ場札として1枚カードが出ています。カードには「大学の講義で扱われる」「メンテナンスには専門家が欠かせない」「地面に四足で立っている」などのテキストとイラストが書いてあります。各プレイヤーは順番に手札から1枚ずつ、カードをつけていきます。場に出ているカードの全てを満たす何かが想定されなければなりません。ですから、カードが増えればその何かは見つけづらくなっていきます。
 手番にはカードを出さずにダウトをかけることができます。そうしたら、前のプレイヤーはその何かを答えなければなりません。1分間考えて答えを言い、皆に説得して判定をしてもらいます。過半数が納得したらダウトをかけたプレイヤーが3枚、納得しなかったらそのプレイヤーが3枚カードを引きます。こうして手札を早くなくしたプレイヤーが勝ちです。
 写真では、「私はそれが重要な役割を持っている映画を知っている」「今ここで思い出すかぎり、とっても陽気なものだ」「日曜や祝祭日には特別な格好をする」「大気圏外に行ったことがある」「よく監視されているか、公には絶対近づけない」でダウト。最後に出したかゆかゆさんが「ムック」と答えました。みんな納得しかけたのですが、「映画って、何?」という質問に答えられず。
 ダウトをしかける人が決まりがちで、その前後だけ手札が多くなる中、Moさんがノーミスで手札をなくして1位。人を選びそうですが、たかのさんに気に入っていただけたようで嬉しかったです。続編「もっとこんなもの、どんなもの?」も訳してみようかと思いました。

テントウムシの仮面舞踏会(Maskenball der Kaefer/P-P.Joopen/Selecta, 2002)

 今年の子供ゲーム大賞作品。エッセンで作者のヨーペンにインタビューする際、サインしてもらいました。2回目という人が4人、それにゲーム慣れしているかゆかゆさんとたかのさんでは、まず失敗しません。2,3回試行したあとは、あっさりすぎるほど簡単に終了。大人だけでは2回以上できないという結論です。子供でもある年齢から上ならば同じかもしれません。なにせ4歳以上が対象ですので。
 マグネットゲーム作者と言ってもよいヨーペン。カヤナックの方が一枚上手です。

レディーボーン(Lady Bohn/U.Rosenberg/Lookout, 2002)

 メス豆という新しい要素を加えたボーナンザの拡張第5弾。昨年のムタボーンに引き続き今年のエッセンで、作者ローゼンベルクの内輪メーカー・ルックアウトゲームズから発表されました。
 メス豆を一番最後に植えた畑は、収穫時にもらえるターラーが少し増えます。したがって同じ豆でも順番を気にすることになりました。
 この順番を操作できるように、場に4枚と6枚の公開札があります。手札が4枚か6枚になると、いつでも好きなときに場札と交換できます。また、収穫したときに1枚、畑に残せるというルールができました。収穫した豆を1つ、種にするという感じです。
 そして面白いのがメスしかいない「化粧豆」です。3枚集めると3番目の畑になるのですが、最初に3番目の畑を手に入れたプレイヤーはメス豆が入っていないと0ターラーという「女性差別撤廃畑」をとることになります。また、5枚集めれば1ターラー+全員(ただしお金をもっていてかつ化粧豆を植えておらず、将来化粧豆でお金を取らないと約束しないプレイヤー)から1ターラーずつもらえるのですが、全部で9枚しかないのに5枚集めるのは容易ではなく、3番目の畑になることが多いようです。基本的にいらない豆なのですが、みんなからどんどん引き取って集めればそれなりの価値が出るこの豆の使い方もポイントです。
 ボーナンザ経験者ばかりだったので説明が少なくてすみました。ゲームはたかのさんが1位。メス豆のイラストがとても気に入りました。特に10の豆。

クレイジーレース(Crazy Race/M.Schacht/Timbuktu, 2002)

 各区間でボイラーを上手に使って3台の機関車を進めるレースゲーム。シャハトが自分の会社ティンブクトゥから、今年のエッセンで発表した鉄道3部作の1つです。
 区間カードには上下左右の4面に機関車が描かれています。それぞれの面に一番高いボイラーカードを置いたプレイヤーが対応する機関車を進めることができます。同じ面で下手にバッティングすると手札が早くなくなってしまうので、適度に牽制しつつ、少ないカードで効率的に進んでいくことが求められます。
 区間カードがめくられると、スタートプレイヤーから順に1枚ずつ手札を裏向きに置いていきます。パスもできます。3周したら置かれたカードを表にして、それぞれの面でいちばん点数の高いボイラーカードを置いたプレイヤーが機関車を進めます。進む数は区間カードに書かれている通りです。
 区間カードは全部で8枚あり、全回カードを出していると24枚必要ですが、実際に使えるのは最大16枚しかありません。どこでパスをするか、他のプレイヤーの進み具合を見ながら考えます。全力を出したように見せかけて最弱のカードでとるなどのブラフも大事です。
 機関車はボード往復12マスでゴールになります。それに他の機関車は飛び越えていけるので上手に連携すれば4マス以上節約できます。このあたりのことも考えて、他のプレイヤーの進めたい機関車を予想しあいます。点数は折り返し地点に早く着いた順、ゴールに早く着いた順にもらいます。3台の機関車が往路復路で入賞すれば、最大6枚の得点が得られることになります。ゲームは区間カードがなくなったら終わりなので、全部の機関車がゴールできるわけではありません。いかにして上位に食い込むかという勝負になります。
 たかのさんが余計な争いをうまく避けて機関車をどんどん進め1位。バッティングで競り負けが続いたMoさんはあまり進めず。私とN君は長年の経験から読み合いとなりましたが、思い切ったカードさばきでN君が2位。クレイジーとは思えませんでしたが、わかりやすい内容のいいゲームでした。

ミシシッピークイーン(Mississippi Queen/W.Hodel/Goldsieber, 1997)

 ミシシッピ川で乗客を乗せてゴールをめざすレースゲーム。1997年の年間ゲーム大賞受賞作で、エポック社の5作にも入っています。
 手番にはスピードを1つ上げ下げして、その数だけ川を進みます。方向変換は60度を1回だけできます。それ以上のスピード変更、方向変換には石炭が要りますが、ゲーム中使える石炭は6つだけです。
 誰かが最先端のボードに入ると、ダイスを振って次のボードを加えます。真正面か、右側か、左側かのどこにボードがつくかは運次第で、そのときのプレイヤーの位置によって有利不利がでてきます。
 途中の島で乗客を乗せます。乗せるときにはスピードが1になっていないといけません。ゴールするには2人の乗客を乗せていなければなりません。またゴールもスピード1で入ります。
 手番の順序はより前にいるプレイヤーからです。それから、移動力1を使って船を押しのけることができます。これらによって後ろのプレイヤーは他のプレイヤーの船がいなくなったところをスピードをあげて進むことができ、また新しいボードの位置が決まってからの移動になるので逆転しやすくなります。
 ボードの場所は運なのですが、あとは運の要素が全くないので詰め将棋のようにガチガチです。船に乗っている雰囲気をどれだけ楽しめるかにもよりますが、総じて好き嫌いの分かれるゲームでしょう。
 3人プレイでSeさんが1位。

ベネチアの仮面舞踏会(Maskenball Venezia/Z.Aczel /Adlung, 1999)

 カードに指示されたポーズをさりげなくとって、他プレイヤーに少しだけ気づいてもらうアクションゲーム。たかのさんご推奨のゲームです。
 カードには「メガネを挙げる」「敬礼」「宮尾ススム」「マンダム」などのポーズがあります。各プレイヤーには最初に1つずつ、ポーズが割り当てられます。ゲームが始まったらさりげなく、そのポーズをします。「あの人はこのポーズだ!」と思ったらそのポーズのカードを取ります。誰かが3枚取ったら答え合わせ。
 正解者は1点、不正解者は-1点。当てられたプレイヤーの方は、正解者が3人未満ならプラスポイント、3人以上ならさりげなさが足りなかったということでマイナスポイントになります。つまり、さりげなさを追求するゲームなのです。このアイデアには驚きました。
 ゲームが始まると、かゆかゆさんが「そのDAKARAとって下さい」と指差して、何人かがそっちを見ている間にポーズをとったりするなど、気を散らす戦法が支配的でした。12人まで遊ぶことができ、パーティーゲームにおすすめのオリジナリティーに富んだ好ゲームです。

サマルカンド(Samarkand/S.Sackson/Abacus, 1998)

 砂漠を巡りながら交換や売買を行い、お金を儲けるゲーム。11月6日に亡くなったシド・サクソン作。追悼という意味で今日の締めくくりに選びました。
 手番にはボード上の矢印に沿って遊牧民、オアシス、街を巡ります。遊牧民のマスでは通行料に品物を1つ払ってから物々交換ができます。オアシスではお金を払って品物を購入できます。街では定められた品物を売却できます。
 品物は枚数が揃うほど売値が高くなるので、物々交換でうまく揃えていきます。手札を貯めれば貯めるほど揃う確率も上がるのですが、山札がなくなると手札は12枚まで減らされてしまうので、適度に売らないと損をします。逆に少なすぎて通行料が払えなかったりすると罰則があります。揃えながら適度な枚数を保つのはなかなか大変です。
 また、遊牧民のマスは通行料が貯まると放出が行われるので他プレイヤーの後ろを着いていくのがいいのですが、街では先に売られると価値が下がるので逆に先に行ったほうがよいというジレンマがあります。矢印通りの移動が意に添わないならばお金を払ってサイコロを振り、その数だけ一気に移動するという賭けに出ることもできます。
 一発狙いで手札を溜め込んでバーストするプレイヤーが続出する中、ほどよい売買で地道にお金を貯めたN君が1位。お札を使うゲームにしてはわかりやすく、バランスのよいマネージメントが問われる味わい深いゲームでした。

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