エッセン国際ゲーム祭02/10/19

エッセン国際ゲーム祭02/10/19

エッセン国際ゲーム祭に初参加。フェスティバル(お祭り)とテストプレイを掛け合わせて「テスティバル」といわれているように、このイベントは何よりもテストプレイに力を入れている。どのメーカーでもたくさんのテーブルを用意しているが、開場してすぐにどんどん満席になっていく。少し待っていれば遊べるのだが、日本人にとっては言葉の壁も問題だ。ルール説明から、ゲーム時のやり取りまで、ドイツ人に囲まれながらやるのは度胸がいる。そこでいかに日本人をそのテーブルに集めるかが課題となった。

ボーンハンザズージム

ボーンハンザ(Bohn Hansa/U.Rosenberg/Amigo, 2003予定)

ボーンハンザ 都市を回りながら豆を交易してターラーを稼ぐゲーム。「ボーナンザ」のローゼンベルクが久々に取り組んだボードゲームで、2003年のニュルンベルクで製品版が発売される予定。「ボーナンザ」のシステムを継承しながら、移動という新たな要素が増えました。オフィス新大陸の方々と4人でプレイ。日本人同士だったので心ゆくまで手をかえ品をかえての交渉ができました。
 豆の種類は8種類。10つの都市ではそれぞれ収穫できる豆とできない豆があります。プレイヤーは都市を回って豆を買い付けたり、他のプレイヤーと交換したりしつつ、指定された都市に指定された豆を届けてお金(ターラー)をもらいます。最後にいちばんお金を多く持っているプレイヤーが勝ちです。
 移動はカードを出して行ないます。移動しなくとも1枚、隣の都市には2枚、その隣には3枚…と遠くに行けば行くほどカードがたくさん要ります。使ったカードは再び手札に戻します。前から使って後ろに戻すという仕組みで、順番を変えてはいけません。ここがボーナンザ的です。ちなみに今回の豆はチップとして自分の前に並んでいます。誰が何を持っているか、すぐわかります。
 手札のカードには通常のカードのほか、ある都市に新しい豆がもたらされる「収穫」、税金20ターラーを支払う「税関」があります。移動が多いとカードがどんどん回るので税金が増えるというわけです。
 この他に目的地と豆が指定された「指令」が手札に入ります。このカードは手番の最後に1枚ずつ補充されますが、手札を1周するうちに指令を果たせないと捨て札になってしまいます。ここでも、移動は少ない方がいいわけです。
 それではどうやって移動を少なくするか。それが「招待」というルールです。プレイヤーは自分の移動が終わったら、他プレイヤーを指名して自分がいる都市に招待することができ、招待されたプレイヤーは、どんなに離れていてもカード1枚でやってくることができるのです。
 ただし招待されたら、必ず1つは豆を交換しなければなりません。欲しい豆をもっているプレイヤーと利害が一致するのかうまく見極めて招待を行なうことが必要です。招待される側も、得な交換ができないようであれば招待を断ってかまいません。
 「収穫」カードが出て新しい豆が入ると、その都市で豆の値段が下がります。ここもボーナンザ的です。ほしい豆が安くなっている都市に行ければ、豆は安価で手に入ります。これをまた交渉材料にして他の豆も集めることができるでしょう。
 ゲームは収穫カードがなくなると終了。最後に手持ちの豆を売ってお金の多い人が勝ちです。指令カードは自分が今いる都市の近くが当たれば儲けもので、運の要素があります。しかし勝敗を分けるのはやはり上手な交渉でした。交渉を避けてソロプレイに走ると勝てないでしょう。3位。

ズージム(ZooSim/C.v.Moosel/Cwali, 2002)

 さまざまな動物のアトラクションでたくさんのお客様を集める動物園経営ゲーム。「モリシ」「チチカカ」など、筒型の入れ物に入ったクワリのゲームシリーズです。バネスト中野さんがデザイナーのモーセルと知り合いで、あいさつがてらそのままルール説明をしてもらいました。
 各プレイヤー1つずつ動物園をもっています。はじめは何もありません。そこで水の生物、鳥類、猿など色分けされたアトラクションが入ったタイルを競りで購入して、動物園を広げていきます。
 タイルは1ラウンドに5枚出てきます。どのタイルがほしいか一通り眺めたあと、競りを始めます。お金を握って一斉に公開する競りです。競り落とした人は自分の動物園に好きなように配置します。
 各タイルには色別にさまざまな動物と星印が描かれています。色別の星印がいちばん多いアトラクションには2つのお客様コマ、2番目に多いアトラクションには1つのお客様コマがやってきます。ひとつの動物園でも、同じ色のアトラクションが離れていれば別に数えるので、タイルの配置も重要です。
 お金は最初8しかなく、またゲーム中もほとんど増えません。どの色のアトラクションをいくつ集めれば1位になれるのか、2位になれるのか考えながらできるだけ安価で競り落せるようにします。
 また、動物園内の道路をサークルにすると人がやってきたり、木の数が多いと人がやってきたりします。上手にタイルを配置して魅力的な動物園にしたいものです。
 点数計算は各ラウンド終了時にそれぞれの動物園にいる人の数×ラウンド数になります。つまり最終の第5ラウンドは5倍の点数になるので、最後までエキサイティングです。バネスト中野さんと子連れのドイツ人夫婦とでプレイ。旦那さんのマークルさんが後半から不動の1位でダントツ。中野さんは折角競り落としたのに道がつながっていなかったりして苦戦していました。

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