豊洲ゲーム会02/08/03

豊洲ゲーム会02/08/03

秋葉原ゲーム会の予定が、イエローサブマリンがイベントで使えず、急遽かゆかゆさんが「ドイツゲーム交流会」という団体名で江東区の豊洲文化センターを予約してくださいました。前回に引き続きゲームサイトの管理者やボードゲーム書籍のスタッフが集まり、結局16名の参加。外は暑いさなか、冷房のよく聞いた部屋で心ゆくまで遊ぶことができました。

ワードバスケットピッグパイルフェレータカンパニーレカムバックロード・オブ・ザ・リング「旅の仲間」クロノノーツ

ワードバスケット(Word Baskect/T.Kobayashi/Original, 2002)

ワードバスケット しりとりをしながら手札を早くなくすことをめざすゲーム。定時に集合した康さん、Hammerさん、りんちゅさん、かゆかゆさんと私の5人でプレイ。以前わんこさん宅でシックスさんの紹介で1度遊んでいたので今回が2回目。
 カードには「あ」「わ」などが書いてあり、バスケット(プロトタイプではどんぶりですが)には最初1枚カードが入っています。5枚手札が配られてゲームスタートです。バスケットに入っているカードの文字から始まり、手札のカードの文字で終わるような単語を言いながら、その手札をバスケットに投入します。一斉に始めて、出すのは早い者勝ちです。みんなどんどんカードを放り込んでいくので、最初の1文字はコロコロ変わります。「あ」みたい「つ」(網タイツ)「つ」なひ「き」(綱引き)…こうして手札をいち早くなくした人が勝ちです。
 ぽんぽんと思い浮かんでくるときはいいのですが、一度思考が停止してしまうと流れから乗り遅れてしまいます。ましてや「この単語はOKだろうか?」なんて考えているとまず勝てません。余計なことを考えず、ただひたすら単語を思い浮かべることに集中することが勝つためには必要だと思いました。もちろん、勝ち負けは度外視して皆にうける単語を狙っていくという遊び方もありだと思いますが。しかし、下ネタは人を選ぶでしょう(…;)。
3ラウンドくらい行って、一勝もできませんでした。「暑くて頭が…」というのは言い訳です。
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ピッグパイル(Pig Pile/R.Borg/R&R Games, 2001)

 日本ではマイナーなメーカーから出たゲームですが、ゲームギャラリーの紹介で人気が高まり、プレイスペース広島ではすぐ売り切れているという、今年ある意味ブームになっているゲーム。アメリカでも人気があったこと、コンポーネントのブタさんが可愛いこともあったのでしょうが、1サイトの紹介で方々に波及するのは、サイト管理者として嬉しいことでしょう。ちなみに今回の品は康さんが個人輸入でドイツから購入したものです。康さん、Hammerさん、りんちゅさん、かゆかゆさんと私の5人でプレイ。
 ゲームは順番に場札よりも大きい数のカードを出していって、手札を全てなくせばブタさんがもらえる(褒美としてです!)というもの。大きい数を出せなければ場札を引き取らなければならず、上がりが遠のきます。
 手札には手に持っているもの、場に公開しているもの、裏返しになっているものの三種類あって、種類別に順々になくしていきます。場に公開しているものは前の手番のプレイヤーが邪魔をするので出しにくく、裏返しになっているものはオープンするまで場に出せるかも分からないため、だんだん上がりにくいように設計されています。
 あとはカードの中にスキップやリバースがあって、ゲームが盛り上がるようになっています。ウノに似ていますが、手札の出し方は特徴的で面白いです。あとはブタさんなのですが、単なる得点チップ以上の役割があればもっとよかったのではと思いました。
 オリジナリティには疑問があるものの、イラストや色使いは楽しい感じに仕上がっており、またゲームとしても特にお子様を含むファミリーがわいわい盛り上がるのに適しているゲームだと思いました。
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フェレータ(反逆者)(Verraeter/M-A.C.Merkle/Adlung, 1999)

 鷲の紋章、薔薇の紋章。対抗する2勢力が激突するイギリス(?)高原地方で、さまざまな職業につきながら勝利ポイントを上げるゲーム。1999年の年間ゲーム大賞ノミネート作品、カードゲーム賞1位で、翌年の大ヒット作「操り人形」に多大な影響を与えたゲームで、「カードゲームは軽くて簡単なゲーム」という常識を打ち破った遊び応えのあるカードゲームです。Noさん、のごさん、かゆかゆさん、私の4人でプレイ。
 はじめプレイヤーは鷲の紋章か薔薇の紋章のどちらか側についています。戦争が起こったとき鷲が勝てば鷲側に勝利ポイントが入り、薔薇が勝てば薔薇側に勝利ポイントが入ります。プレイヤーは自分の戦力カードを出して一騎打ちに臨みます。しかしながらその陰で戦争に参加せずに耕作や建築をしていたり、さらには相手方の陣営に寝返ったりするチャッカリ者もいるのです。
 そしてどのプレイヤーがどの職業についたかは、全員がオープンするまでわからないようになっています。これが「操り人形」に受け継がれた秘密職業選択システムです。誰が裏切ったのか、誰が戦争に参加しないで戦利品だけせしめようとしているのか、ある程度推理はできても完全にはわかりません。みんな読みあい、読みが当ったり外れたりして、戦争の結果が刻一刻と変わっていくのはエキサイティングです。また、みんなの読みを裏切って大成功を収めたときの爽快感はなかなかのものです。
 ルールがわかりづらいという欠点がありますが、始まってみると操り人形よりもライトな感じがするほど、テンポよく進行します。そのくせ職業選択はやはり悩ましいものがあり、全体として非常に完成度の高いゲームです。ボードがないのは雰囲気を出すには不足を感じるかもしれませんが、その分安価であるということも大きな魅力です。
 Noさんが2位以下の勢力がのし上がろうとする企てにうまく乗り続け、序盤から1位をキープして優勝。2年ぶりくらいで遊びましたが、戦争の勝敗が僅差だったり、終盤に勝利ポイントを計算した行動に出たりとよく頭を使う展開となり、再評価しました。
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カンパニーレ(Campanile/H&W.Kuhn/Blatz, 1995)

 サン・ジミニャーノの塔がどれだけ高く建設できるか賭けて、実際に建設していくゲーム。96年の年間ゲーム大賞ノミネート作品。最終的に一番高くなった塔にチップを賭けていればポイントになります。塔を育てつつ、どの塔にチップを賭けるか見定めるところに、ドイツゲーム特有のバランス感覚が求められます。Noさん、のごさん、かゆかゆさん、私の4人でプレイ。
 手番には手札から塔カードを出して建て増ししていきます。カードに描かれた目盛りによって1~3階を建て増すことができます。そして塔にチップを賭けたければ賭け、カードを補充して手番が終わります。
 この賭けチップと補充にはシバリがあって、1階だけ建て増ししていれば賭けチップは1、補充は1番の山札から、2階建て増ししていれば賭けチップは2、補充は2番の山札からというように決まっています。どのカードを補充したいのか、チップはどれくらい賭ければ他のプレイヤーに勝てるのか考えながら建て増ししていくことになります。
 1~3番の山札のうちいずれかがなくなったらゲーム終了で、旗カードを屋上に立てて点数計算をします。一番高い塔に一番多くチップを賭けているプレイヤーが8点、2位は4点もらいます。同様に二番目に高い塔に一番多くチップを賭けているプレイヤーが6点、2位は3点というように下がっていき、一番低い塔は誰ももらえません。
 お互いに牽制しながらあわよくば独り占めしようと塔を伸ばしていく様子は、サン・ジミニャーノの貴族たちの競争をよく再現していると思われました。異様に高くなった塔も「兵どもが夢の跡」のようで見た目笑えます。時間は30分ほどでルールも易しく、それでいてなかなか悩ましいゲームです。「塔が同じ高さの場合は、左の方が優先」というルールを忘れてはいけません。
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カムバック(Comeback/R.Staupe/Staupe Spiele, 1996)

 カードを競り落として、その組み合わせでより高い配当を狙うゲーム。97年の年間ゲーム大賞ノミネート作品。つい最近のノミネート作品なのに、知っている人がほとんどいない謎に包まれたカードゲームでした。この年はハズレ年という説もありますが…。かゆかゆさん、康さん、Noさん、私の4人でプレイ。
 コンポーネントは7枚ずつ4色のカードのみ。プレイヤーは資金150を持ちスタートします。このうち数枚(4人プレイ時には4枚)を除いて山札にし、1枚ずつめくっては競りを行います。競り上げるときにはそのカードの点数分以上を上げなければならないというルールがあります。7のカードならば、最初のプレイヤーが1と言ったら次のプレイヤーは8以上をビッドしなければなりません。高得点のカードはすぐ高騰して競り落としにくくなります。
 それでは1や2のカードが安いかというと、そうではありません。1と2のカードは星の数が多くなっています。この星が多いほど点数も上がるので、みんな確保しておきたいのです。
 山札が全部競り落とされたら、得点計算になります。色別に(点数の合計)×(星の数の合計)が配当になります。残った資金と合計して、一番多い人が勝ちです。
 同じ色で揃えて増やせば得点はどんどん増えていくのですが、競りで高騰すると結局損をしてしまいかねません。どこで降りるか、あるいは最後まで頑張って競り落とすかの判断が難しいところです。色を揃えようとして頑張れば途中で資金が底をついてレートが下がる恐れがあるし、また資金を温存しようとすれば最後に雑多なカードを引くことになって点数が上がらない恐れがあります。
 今回は4人とも、競りに白熱しすぎて赤字決算を出してしまいましたが、序盤から色を決めて貯めこんだ康さんが1位。最後に買い叩きまくった私は色がまとまり、2位。印刷が少しずれている最小限のカードからは想像のつかない、何度も遊べるいいゲームだと思いました。
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ロード・オブ・ザ・リング「旅の仲間」(Der Herr der Ringe – Die Gefaerten/ R.Knizia / Ravensburger 2001)

 映画版の「指輪物語」を題材にしたクニツィアのカードゲーム。キャラものという悪いイメージを払拭するクニツィアらしい面白いゲームなのですが、版権の関係か国内販売には至っていません。かゆかゆさんが個人輸入で購入したものです。りんちゅさん、のごさん、私、書籍関係の方でプレイ。
 前回ぼろ負けした反省から、今回は序盤から積極的に勝っていく方針で戦いました。序盤に指輪を取ればそれだけで脅威となり、その後を楽に進めることができるはずという予測です。手番の回り方もよく(=自分の手番に場面を終了させられるか、ほとんど終了状態にもっていけるということ)、作戦はうまくいっていたように見えたのですが…。
 ペース配分がおろそかになってしまい、途中から急に息切れしはじめました。モリアでガンダルフがやられてからは、物語どおりに苦しい展開。アモン・ヘンにたどり着けたのは、たった1枚だけでした。20勝利ポイントで2位でしたが、1位のりんちゅさんが29勝利ポイントという大差で勝ちました。
 今回はガンダルフが軒並みやられる(ナズグルに)というシビアな展開でしたが、「ゲンダールフ!(フロドの叫び)」とか叫んでみたり、「指輪物語」を読んだことのある人、映画を見たことのある人の会話を楽しみながら遊ぶことができました。ゲーム性も高くて、余計なお世話ながらどうしてカプコンはこれの版権を取らずに、コスモス版を取ったのだろうと思うことしきりです。
 なお、テーブルに収まりきらないというスペースの問題は、上端から下端へとスクロールさせることで解決しました。こうすればそんなにスペースは要りません。

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クロノノーツ(Chrononauts/A.Looney/Looney Laboratories, 2000)

 それぞれ目的をもった時空飛行士となって歴史を変えたり、珍しいアイテムを集めたりするカードゲーム。りんちゅさん、のごさん、私、書籍関係の方でプレイ。
 時代順に並べられた歴史は相互に関連しており、途中の歴史を変えると後続する歴史にパラドックスが生じます。そこに復旧するパッチを貼って、目標とする歴史を作ることが一つ目の目的です。
 それと、「明日の新聞」「生きた恐竜」などのレアアイテムを3つ集めるというのが二つ目の目的です。この2つの目的のうち、どちらかを最初に達成したプレイヤーの勝利となります。
 歴史といってもアメリカを中心にした世界史だし、テキストは全部英語なのでよくわからないところもあります。しかし過去を変えるというSFの雰囲気はよく出ていると思いました。
 そろそろ中盤かなと思っているときに突然りんちゅさんが上がって終了。目的が重なっていると、実質協力プレイになるので強いです。アクションカードの中には「山札を全部見て好きなカードを選びプレイする」「捨て札を全部見て好きなカードを選びプレイする」というカードがあり、強力すぎです。また他のプレイヤーの思い通りにならないように自分の目的と関係のない歴史をめちゃくちゃにして困らせるなど、ゲームのシステムとしては大味アメリカンですが、ゲーム中の笑いが絶えず、よい雰囲気でした。
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